サイクル旅日記
ふれあい、自転車の旅
にほんの里100選めぐり日本一周へ

にほんの里100選ツーリング15 ▽桑畑果無・奈良県十津川村(62)

15-1

●浅里(三重県紀宝町)→桑畑果無(奈良県十津川村)→谷瀬つり橋キャンプ場(十津川村)

▽桑畑果無・奈良県十津川村(62)
 浅里から県道740号から国道168号を通って十津川村へ。国道から桑畑果無の集落までは4キロ。すごい激坂で自転車を降りて押したり、休んだり、50分もかかってやっとたどり着く。今は芝ザクラが咲き誇り、眼下には十津川温泉とダムが見える。農作業をしているおばあちゃんに声をかけると、なんと途中の観光案内所に張ってあったポスターのモデルになっている人だ。こんな人に会えるとは、本当に運がイイ。東栄子さんといって、86歳。彼女の話だと、24歳で十津川からここに嫁にきてから、ずっと自給自足の生活をしている。この集落も人が少なくなって、今では7戸になってしまった。ここにいる人はみな自給自足の生活をしている。東さんの家では山からの自然水を使っている。まさにミネラルウオーターだ。ペットボトルにこの水をいただく。夜はこの水で水割りに決まり。果無で持ってきたパンで昼食。時間もまだ1時前。十津川温泉に泊まるには早すぎるので、翌日のことを考え、30キロほど先の谷瀬つり橋キャンプ場を目指すことにする。ところが10キロほど走った道の駅十津川郷の近くでパンク。スペアチューブに取り替え、バンク修理はキャンプ場に着いてからゆっくり直すことにする。キャンプ場に着くと明日午前中は雨ですよ。テントは屋根のある休憩所の中に張ってイイという。嬉しいことだ。このキャンプ場には珍しいことにコイン風呂がある。コインを入れると湯が張られる仕組みだ。広い河川敷にある整備された快適なキャンプ場。天気予報は雨。明日はどこまで走ろうか。連泊しようか。天気次第。写真は果無集落。

2009年04月13日

にほんの里100選ツーリング16 ▽天野・和歌山県かつらぎ町(63)

16-1

●十津川(奈良)→天野(和歌山県かつらぎ町)→橋本(和歌山)

▽天野・和歌山県かつらぎ町(63)
 昨日は朝から小雨が降ったりやんた゛り。天気予報は午前中雨。8時30分雨がやんた゛ので、これから天気がよくなると思い9時スタート。ところが11時頃再び雨が降ってくる。近くので道の駅で雨宿り。いっこうにやむ気配がない。天気予報は午前中雨なのに。昼食をとって時間をツブがダメ。道の駅に併設されている宿は今日は貸し切りだという。近くに宿はない。道の駅で泊まってもいいかとたずねると、雨が降っているのであずまやにテントを張ってもいいという。ここにテント張り、夕食も道の駅で。やることがないので、ひたすら焼酎を飲んで過ごす。
 今日は朝起きるとどんよりと雲っている。そうしたなかスタート。いきなり10キロほどのダウンヒル。下に降りてくるとところどころに青空が広がり、天気の心配はなさそうだ。道もほぼ平坦。国道24号から天野の里へは県道480号へ。気持ちよく走れたもここまで。県道に入ると例によって激坂。9キロの道を自転車を降りて押したり、休んだり、1時間30分かけて天野の里へ。ここは高野山参拝の表参道。世界遺産の丹生都比売神社や史跡、文化財が保護されているというが、激坂で神社に立ち寄っただけで、あとはパス。農作業をしていた人に話かけてみる。中泉さんといい、彼の話では、昔はバカでもひゃくしょうができたが、今は肥料や消毒の薬品等が高くなり、経営が難しい。もうやめたいがやめられずつらいョという。わかれぎわにどこからきたのといいながらミカンのプレゼントをいただく。枚方には国道24号から行ったほうがいい、でも自転車では今日中は無理、橋本あたりに泊まったらと言われる。橋本に着いたのが4時。駅前の観光案内所で紹介された旅館に泊まる。走行距離81、41km。写真は天野の里。

2009年04月15日

にほんの里100選ツーリング17 ▽穂谷・大阪府枚方市(57)

18-1

●橋本→河内長野→穂谷(大阪府枚方市)

▽穂谷・大阪府枚方市(57)
 今日は比較的平坦な道だ。ただ河内長野から枚方までの国道170号は交通量が猛烈に多い。自転車にとっては正に酷道だ。平坦な道なのに緊張して疲れる。穂谷は棚田や雑木林のなかの集落。狭く坂の道が多いので、集落の入口にある穂谷公民館に自転車を置かせてもらい、歩いて回る。雰囲気のある坂道や懐かしさを誘う眺望だ。造り酒屋があったので入って、声をかけたが誰もでてこない。人がいる雰囲気がない。酒の好きな私にとっては誠に残念。集落を歩いてもほとんど人に出会わない。枚方駅に戻ってビジネスホテルに泊まる。走行距離85、02km。写真は穂谷の集落。

2009年04月16日

にほんの里100 選ツーリング18 ▽樒原・越畑・京都市(55)

19-1

●枚方→嵐山(京都府)→樒原・越畑(京都市)→能勢町(大阪府)

▽樒原・越畑・京都市(55)
スタートしようと表に出ると道路が少し濡れている。昨夜雨が降ったようだ。淀川沿いの交通量の少ない府道13号を走って京都市へ。京都市では桂川沿の府道123号を走しって、渡月橋を渡り、雰囲気のある嵐山を通って、美しい峡谷の保津峡へ。ここまで気持ちよく走る。保津峡駅は写真でもわかるように、列車に乗るには吊り橋を渡って行く。ここまでは嵐山で少し上りがあったものの、ほぼ平坦な道路。今日はイイゾと思っていると、またもや保津峡駅から樒原(しきみがはら)までの10キロに1時間30分もかかる上り。樒原は美しい鎧田のある山里。少し下ったところに越畑の集落がある。ここにも棚田があり、たっている看板から、フレンドパークという貸農園をやっているようだ。昨日の穂谷もそうだが、集落でほとんど人に出会うことがなく、話を聞くことができないのが残念だ。多分タイミングが悪いのだろう。写真をとって、国道477号に出て、能勢町の長谷へ行こうか、川西市の黒川に行こうか迷いながら走る。途中にあったガソリンスタンドで宿の状況をたずねると、黒川近辺には泊まる所がない。長谷へ行く途中の能勢にはあるという。それで能勢町へ行くことに決まり。キャンプ場は予約がないとスタッフがいないのでダメだという。近くにユースホステルがあったのでそこに泊まることにする。走行距離93、54km。

写真は保津峡駅、樒原、越畑。

2009年04月18日

にほんの里100 選ツーリング19 ▽長谷・大阪府能勢町(56)▽黒川・兵庫県川西市(59)

20-1

●能勢町→長谷(大阪府能勢町)→黒川(兵庫県川西市)→三田市(兵庫県)

▽長谷・大阪府能勢町(56)
▽黒川・兵庫県川西市(59)
 朝一番で昨日泊まったユースホステルから近い長谷へ。農作業をしている人に話かけてみる。ヤマモリさんといい、今ではめっきり少なくなった茅葺き屋根の家に住んでいる。この集落には65戸あるがみんな兼業農家。米は30キロ7〜8千円、肥料や農薬は倍に値上がりし、専業農家ではきびしい。政治家にももっと日本の米を食べることを考えてくれと言っているが、全く考えていない。棚田も減反政策が始まってからすっかり少なくなってしまった。そのうちみんな林になってしまいそうだ。と嘆いている。どこの里でもあまりイイ話を聞かない。次に浄瑠離シアターへ行ってみる。係員の話では、能勢の浄瑠離は200年余りにわたって受け継がれ、語り継がれてきた。人形を用いず、語りと三味線だけで、農業の傍ら庶民によって創られ、伝えられ、演じ続けられた貴重な地域芸能です。と説明してくださった。次に川西市の黒川に行くと、道路の花の手入れをしている女性がいたので声をかけてみる。菊炭の産地なので炭のことを聞きたいのですがというと、新聞に写真が載ったのがうちのお父さん。今いるから話を聞いてみたらという。偶然とは言え、運がイイ。今西勝さんといい、炭を焼いているのは黒川では1軒だけ。この地区は昔から良質なクヌギの産地で、そのクヌギを使った炭は、見た目の美しさと香りや燃えつきたあとに残る白い灰がお茶席には最高だという。クヌギは毎年15トン切り倒し、炭となるのは3トン。京都の問屋に卸すほか全国に宅配している。良い炭を作るには、良いクヌギを育てなければアカン。炭焼きは木を枯らさないために、成長が止まる初冬のころから木を切り初め、5月ごろまで続けるという。自然保護団体などが木を切っているとアホなことをいうが、木を切らなければイイ木が育たないことを全然わかっていない。木のこと、炭のこと、里山のことなどいろいろと話してくれる。黒川のあと、小豆島に渡るため姫路方向を目指すか゛、三田(さんだ)市まで走ったところで17時。三田駅近くのビジネスホテルに泊まる。走行距離81、73km。

 写真は能勢町長谷、浄瑠璃シアター、黒川。

2009年04月19日

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