サイクル旅日記
ふれあい、自転車の旅
にほんの里100選めぐり日本一周へ

にほんの里100選ツーリング79 ▽浜中町・北海道(1)

81-1

●弟子屈町摩周→摩周湖→斜里
●斜里町→ウトロ→知床五湖→知床峠→羅臼
●羅臼→標津→本別海→別海
●別海町→浜中町→厚岸(あっけし)町

▽浜中町・北海道(1)
 15日、弟子屈町摩周—摩周湖—斜里
 摩周湖ユースホステルから道道52号を摩周湖まで6kmを1時間10分もかけて摩周湖第1展望台へ。展望台からは曇り空だけれど摩周湖と斜里岳、反対側には雌阿寒岳、雄阿寒岳が見える。特に。摩周湖の展望が素晴らしい。引き込まれそうな感じだ。続いて第3展望台へ。雰囲気が違う。第1展望台からよりもしずかな感じだ。摩周湖から下って斜里町へ。時間はまだ2時前、ウトロまで走ろうか迷ったが、斜里のライダーハウスには温泉があるので、ここでのんびり過すことにする。走行距離82、13km。

 16日、斜里町—ウトロ—知床五湖—知床峠—羅臼
 昨夜からの雨はすっかりあがってよく晴れている。国道334号をオホーツク海沿いに塩風を浴びながら快走。ウトロから県道93号で知床五湖へ。途中で知床半島が見える。知床五湖では二湖の景観が素晴らしい。残念ながら羅臼岳は頂上付近は雲をかぶっている。続いて知床峠を目指す。五湖から国道334号へ。ここから知床峠まで10kmの上りが続く。がまんの走りだ。国道からは羅臼岳が全容をあらわしている。ところが知床峠に着くと霧が発生。しばらく霧の晴れるのを待つと一瞬霧の晴れ間から羅臼岳は見えたが、国後島は残念ながら見ることができない。あきらめて羅臼を目指して走りだすと雨が降り出す。峠をはさんでウトロ側と羅臼側では天候が違うようだ。下る途中無料の温泉熊の湯に寄って露天風呂に入ることを楽しみにしていたが素通りし、羅臼のライダーハウスに泊まることに。

 17日、羅臼—標津—本別海—別海
 朝から快晴。国道335号で羅臼の町中にでると、戦後ロシア領となってしまった国後島が手の届きそうなほど間近に見える。返せ!北方領土。朝頂上付近に雲がかかっていた知床の山々も、11時頃から雲が切れ美しい姿を見せる。風蓮湖あたりで泊まろうと標津からも国道244号の海岸線を走って本別海まできたところで、風蓮湖に泊まるところがあるか尋ねると、どうも泊まるところが無さそうだ。遠回りとなってしまったがルートを変更して別海へ。この町には隣に温泉のある町営の別海ふれあいキャンプ場があるので、ここに泊まることにする。走行距離109km。

 18日、別海町—浜中町—厚岸(あっけし)町
 曇り空のなかを雨の心配をしながら、浜中町へ向けスタート。道道123号はアップダウンを頻繁に繰り返す。心配した天気も浜中町の海岸線にでると青空が広がり、少し陽がさしてくる。浜中町では先ず役場を訪ね、まちづくり課長の瓜田さんから説明を受ける。瓜田さんの話では、浜中町がにほんの里100選に選ばれたのは、環境問題への取組みで、ひとつはノーレジ袋運動。町と商業者と協議を重ね、レジ袋を有料にした。有料といっても袋代を払っていただくのではなく、環境のため寄付をしていただくシステムだという。ふたつめは、霧多布湿原の保全への取組みで、民有地を買取り、公共の財産として保全を図ることが必要と考え、NPO法人霧多布湿原トラストを2000年1月に設立、全国に呼び掛け民有地を買取るナショナルトラスト運動をはじめたという。説明を聞いたあと商店で買い物をしようと立ち寄ると、レジ袋削減宣言ののぼり旗がたっており、レジには寄付金を入れる箱が置かれていた。次に霧多布湿原センターへ。ここでは湿原の仕組みを解説する展示等が行われている。続いて琵琶瀬展望台へ。展望台からの眺望は360度のパノラマ。眼下に広がる湿原と美しい川の蛇行、緩やかなカーブを描いて延びる海岸線の向こうに広がる太平洋のコントラストが鮮やかだ。霧多布のあとはやはり頻繁にアップダウンを繰り返す道道123号で厚岸町へ。ここでは名前につられ、愛冠(あいかっぷ)野営場に泊まることに。走行距離92、09km。

 写真は摩周湖と斜里岳、斜里町から見た斜里岳、知床五湖から見た知床の山々、羅臼岳。

2009年09月18日

にほんの里100選ツーリング79(つづき) ▽浜中町・北海道(1)

82-1

【注】
 写真を掲載するため、79のつづきとした。
 写真は国後島(肉眼では間近に見えるが携帯の写真では望遠がきかないのでよくわからない)、商店に掲げられたレジ袋削減宣言ののぼり旗、琵琶瀬展望台から見た霧多布湿原。
  
 次の目的地青森県佐井村への予定ルートは、厚岸町から太平洋岸沿いに襟裳岬経由で函館へ。函館からフェリーで大間へ。大間から佐井村です。佐井村までは数日かかると思います。

2009年09月18日

にほんの里100選ツーリング80

83-1

●厚岸町→釧路市→浦幌町直別
●浦幌町→広尾町
●広尾町→襟裳岬→浦河町日高幌別
●浦河町→日高町富川
●日高町→白老町竹浦
●白老町
●白老町→長万部町中之沢
●長万部町→函館市

 19日、厚岸町—釧路市—浦幌町直別(ちょくべつ)
 朝カラスのうるさい鳴き声で5時に目が覚める。テントからでると濃い霧だ。ラジオで天気予報を聞くと、釧路地方に濃霧注意報がでている。この霧では走る気がしない。なかなか晴れそうにないが、霧が晴れるのを待ってスタートすることにする。以外にも午前8時になると霧が薄れてくる。8時30分スタート。道道123号から9時に国道44号へでると青空となって陽がさしてくる。釧路から国道38号で太平洋岸を走って浦幌町直別へ。日没となったのでこの町のライダーハウスに泊まる。走行距離109、1km。

 20日、浦幌町—広尾町
 広尾町のキャンプ場で泊まる予定でスタート。道道1038号は太平洋の海沿いぎりぎりに走る。続いて国道336号へ。日高の山々を見ながら走り広尾町へ。ここまでで100km近く走ったので、町営のキャンプ場シーサイドパーク広尾で予定どおりキャンプ。明朝の日の出に期待。

 21日、広尾町—襟裳岬—浦河町日高幌別
 キャンプ場からの日の出が素晴らしい。今回の後半のツーリングではじめて日の出だ。もっとも日本海側を北上し、北海道で海岸線に泊まったのは今日がはじめてのことだった。広尾町から道道34号を襟裳岬にむかっていると、大阪から北海道一周中の米沢さんに後ろから声をかけられる。彼と会うのは知床峠、直別のライダーハウス、そして今回と3回目。一緒に襟裳岬まで走る。私はここで昼食。彼は先を目指す。またどこかで会うかも知れない。こういう出会いがとても楽しい。襟裳岬では「なにもない春ですー」と自然にくちずさむ。襟裳岬から国道336号にでるまでの道道34号の12kmは頻繁にアップダウンを繰り返し、平坦なところがない。国道336号で日高幌別駅近くまでくるとライダーハウスがある。走行距離も100km近くなっているのと、無料なのでここに泊まることにする。走行距離98、55km。

 22日、浦河町—日高町富川
 どんよりとした曇り空。天気予報の降水確率は、午前20%、午後60%。走ろうか連泊しようか迷う。雨対策をしっかりとって走ることにする。やっぱり生来の貧乏性なのだろう。泊まってじっとしているよりも走っているほうがいい。今日も国道235号で太平洋岸沿いを走る。雨が降ってくればすぐ泊まるつもりだ。ところが予報に反し時間の経過とともに空が明るくなってくる。午後になると薄日がさしてくる。道路も平坦なので苫小牧までと思ったが、100数十kmとなってしまうので、走りはじめてから約90kmの日高町富川のライダーハウスに泊まることにする。時間はまだ午後2時。入念に自転車の整備。いつもはウエスで汚れを落としオイルをくれる程度なのに、今日はチェーンは歯ブラシで汚れを落としオイルをくれる。明日の走りが楽しみだ。走行距離87、67km。

 23日、日高町—白老町竹浦
 良く晴れて青空が広がっている。とても暖かい気持ちの良い朝だ。登別の手前の虎杖浜(こじょうはま)温泉のライダーハウスを目指す。国道235号から道道259号に入ると樽前山が間近に見えてくる。もう一度支笏湖へ行ってみようかと迷う。また寄り道をするときりがない。先を目指す。国道36号に入ると左に太平洋、右に樽前山を見ながら快走。虎杖浜温泉のライダーハウスへ。ここは天然温泉いつでも入れる。最高! 走行距離87、33km。

 24日、白老町
 小雨が降っている。天気予報は午前、午後とも降水確率50%。温泉へいつでも入れるので早々と連泊とする。後半のツーリングではじめての連泊。午前中小雨が降ったりやんだり。午後から薄日がさすが、夕方からは濃い霧、クルマはライトをつけて走っている。天気の変化が激しい。昨日も今日も泊り客は私ひとり、リラックスして温泉に入ったり、酒を飲んだり、テレビを見てのんびり一日を過す。

 25日、白老町—長万部町中之沢
 晴れて気持のよい朝だ。ところがスタートしてまもなく国道36号で登別町へ入ると濃い霧。なにも見えない。そんななか室蘭に着き、国道37号に入ると霧が晴れてきれいな青空が広がる。洞爺湖町を過ぎ、豊浦町に入ると、後ろから声をかけられる。標津で会った東京の大学2年生、彼は標津から野沙布岬をへてここまで走ってきたという。今日は長万部の公園でテントを張るといい、あっという間に見えなくなる。私とはスピードが違うようだ。緩やかだが長い礼文華峠をのぼり、ここを下って長万部町中之沢のライダーハウスへ。ここは北海道2日目に泊まったところ。前回はトウキビ、今回はかじか汁のサービス。とても美味しい。走行距離119、9km。

 26日、長万部町—函館市
 長万部町から国道5号、道道96号、国道278、279号で函館市へ。9月7日北海道入りして、黒松内町、浜中町の二ヶ所の里を訪ねるのに、寄り道、回り道をしてとうとう3週間も北海道に滞在することになってしまった。明日は函館港から大間へフェリーで渡り、青森県佐井村福浦へ行きます。走行距離105km。

 写真はシーサイドパーク広尾キャンプ場の日ノ出、襟裳岬、襟裳岬の私

2009年09月26日

にほんの里100選ツーリング81 ▽福浦・青森県佐井村(3)

84-1

●函館港→大間港→大間崎→福浦(青森県佐井村)

▽福浦・青森県佐井村(3)
 函館港—大間港—大間崎—福浦(青森県佐井村)
 函館港からフェリーで大間港へ。船内で昨日函館のライダーハウスに一緒に泊まった埼玉のライダーと、大間崎へ生マグロを食べに行くことになった。ところがフェリーをおりるとき、係員が彼のオートバイを倒してしまった。サイドミラーが壊れたようだ。大間崎で待ったが彼は来ない。はなしがすぐつかなかったのだろうか。ひとりで生マグロを食べて福浦に向かう。福浦までの国道338号は、アップダウンの多いタフな道路だ。福浦では途中の津軽海峡文化館アルサスの観光案内所で紹介された福寿旅館へ。旅館のご主人に福浦のことを尋ねると、歌舞伎は明治時代に上方の役者によって伝承され、110年余りの歴史をもつ青森県の無形文化財で、2月と4月に上演される。今は歌舞伎の役者が9月から出稼ぎに行っていて上演できない。2月に出稼ぎから帰って雇用保険を受け、上演するという。歌舞伎の館に行って見ると、この地区で一番豪華な建物。ほとんど使われていないのがもったいない。次に定置網の修理をしていた田中さんから話を聞く。彼は旅館を経営しながら漁をやっている。ウニ、タコ、昆布。今の時期は鮭をとっている。漁師が本業で旅館は副業だという。福浦は山が迫る港のある落ち着いた集落だ。走行距離50、19km。

 写真は大間崎、定置網の修理、歌舞伎の館、福浦港。

2009年09月27日

にほんの里100選ツーリング82 ▽新田・青森県田子町(4)

86-1

●福浦港→青森港→酸ヶ湯
●酸ヶ湯→奥入瀬→十和田湖→迷ヶ平→田子町(青森県)
●田子町→新田(田子町)→久慈渓流鏡岩園地(岩手県久慈市)

▽新田・青森県田子町(4) 
 28日、福浦港—青森港—酸ヶ湯
 福浦港から高速船で青森港へ。乗客は私一人。途中、脇野沢から一人乗り込み二人。余計なことかも知れないがこれで経営が成り立つのだろうか?青森からは国道103号で十和田湖のキャンプ場を目指したが、酸ヶ湯まで16kmのところで雨が降ってくる。途中にあったユースホステルに泊まろうか迷ったが、たいした雨ではないので、とりあえず酸ヶ湯を目指す。雨のなかを我慢の上りだ。菅野高原からは天候が悪いなか、運良く八甲田山が雲の合間から姿を見せる。ここからさらに上り酸ヶ湯温泉へ。雨が小降りなので十和田湖まで走ろうかとも思ったが、温泉の魅力でここに泊まることにする。とてもいい湯だ。着いたときと食事の前に入ったが、どういうわけか疲れがでてしまった。温泉の影響なのだろうか? 走行距離30、4km。

 29日、酸ヶ湯—奥入瀬—十和田湖—迷ヶ平—田子町(青森県)
 酸ヶ湯は濃い霧。霧が晴れるのを待つがいっこうに晴れない。待ちきれず霧の中を9時スタート。国道103号で傘松峠まで上り、睡蓮湖まで下る。ここからは八甲田山が見えるはずなのに濃い霧でなにも見えない。残念!ここを下り始めるとすぐ霧が晴れる。高いところだけ霧がかかっていたようだ。奥入瀬では晴れ。十和田湖では青森りんご流通センターに立ち寄り、自宅にりんごを送る。ここで道を尋ねると、国道454号から県道21号のルートがいいと勧められる。454号の上り6kmを越えるとあとは下り。いい道を教えてくれた。田子(たっこ)町では先ず商工観光課へ行く。にほんの里100選については山崎議会事務局長が詳しいと議会事務局へ案内してくれる。山崎さんの説明では、新田集落は人口120人、40戸。新田集落のシンボルとなっているのが江戸時代に造られたと伝えられる水車。この水車を使った取組みのひとつとして「蕎麦まつり」がある。このイベントは子供から高齢者まで、世代を越えた取組みで、お互い支えあっていくという集落の機能回復などに大きく貢献し、住民一丸となった集落のあるべき姿だと思っている。今や「水車が回れば、集落も回る」理念のもと、みじかにある自然と文化を宝に、故郷への愛着を守り伝えて行くという。山崎さんの住まいは新田。明日新田に行くならと、畠山新田自治会長に電話を入れ、説明をお願いしてくれる。さらに旅館にも電話を入れ、宿泊を頼んでくれる。感謝! 走行距離75、94km。

 30日、田子(青森県田子町)—新田(田子町)—久慈渓流鏡岩園地(岩手県久慈市)
 山川旅館をスタートしようとすると、奥さんが素泊にも関わらず弁当を手渡してくれる。なによりのサービスで嬉しい。国道104号で昨日山崎さんから話を聞いている新田の集落へ。新田までは1時間。水車の前で新田自治会長の畠山さんが出迎えてくれる。水車を回してくれたり、水車小屋の中を見せてくれる。蕎麦まつりのときは、人口120人の集落に1000人近くの人が着てくれ、町おこしになっているという。集落全体の写真を撮りたいというと、春日神社からは集落全体が見渡せると言い、クルマで案内してくれる。新田をあとに県道32号、県道24号、県道22号、国道385号、県道42号、国道281号で久慈市へ。久慈渓流鏡岩園地でキャンプ。走行距離101、14km。

 写真は菅野高原から見た八甲田山、睡蓮沼の紅葉(ここからは八甲田山が見えるはずなのに、濃い霧でなにも見えない)、奥入瀬、新田の水車、新田の集落。

2009年09月30日

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