第31回 2013年4月26日 三重県南牟婁郡紀宝町浅里 浅里生活改善センター
崔宗宝演奏日誌
4月26日・27日の二日間、三重県の「里山100選」に登録された浅里と須賀利町でコンサートを開催しました。
今回一つの県に登録された二ヶ所で同時に開催できたのは、全て「友の会」東京支部の世話人・榎本さんのおかげです。彼女は、三重県の尾鷲の出身で、2年前から是非自分の故郷で私の歌を皆様に聞かせたいと言ってくれていました。事前に一度下見にも来て、浅里と須賀利町の担当者と打ち合わせをして、この2ヶ所で同時に開催することになりました。本当に榎本さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。
26日朝一番早い便で羽田空港から空路で和歌山空港に着きました。最初「何で三重県の里山に行くのに、和歌山に来たのかな?」と疑問がありました。でも、調べたら和歌山空港からの道は、浅里に行くのには一番近い道でした。浅里のコンサートは、14時スタートなのです。浅里に着いた時もう12時になっていたので、すぐコンビニでカップラーメンとおにぎりを買って車の中で昼ごはんを食べました。会場は昨年出来た公民館で、その隣が「里山100選」に登録された場所でした。山の斜面に約50戸ほどの家々があり、みんな石垣を築いて暮らしています。川と石垣集落の間にある水田も、とても美しく調和していました。私は目の前に広がる水田と山を見ながら「鐘が鳴ります」を歌い、この歌をますます理解することが出来ました。本番後、すぐ須賀利町に向かって移動しました。須賀利町は尾鷲市から40分ぐらい離れているところにあるので、夜は尾鷲市に泊まる事になりました。夕食は、榎本さんご夫妻に招待され「田舎」という店で和食を食べました。献立の中の煮魚がとても美味しかったので、追加でもう一品食べました。結局あまり食べ過ぎて、夜はほとんど眠れなかったです。
翌日10時に出発して、11時前に須賀利町に着きました。ここが、「100選」に登録された理由は瓦屋根の古い民家約200戸が、海から山へびっしり張り付く風景が素晴らしかったからです。とても、壮観な風景でした。残念なことは高台の古民家は、たくさんの空き家となってしまったことです・・・。
コンサート会場は、15年前閉校となった須賀利中学校の体育館で行いました。開演前用意した100席ぐらいの椅子が、開演30分前になると全然足りなくなり、結局200名の方々が来て下さいました。体育館で歌ったのは、正解でした。もし、別の会場だったら、30分ですぐに100個の椅子を調達するのは、出来なかったでしょう。特にこのような里山では!体育館には、58年前のヤマハグランドピアノがあり、私は、弾き語りで「砂山」「出船」など海のイメージンの歌を歌いました。体育館の響きがとてもよく、東京のサントリーホールにも負けてないと思いますよ!1時間ほどの本番で、12曲気持ちよく歌いました。ご来場の皆様の笑顔を見たら、どんな疲れも忘れました。
この日、奈良県に住んでいる私の友人の山本さんご夫妻も来てくれました。実は、この日の夜、山本さんのご自宅で、ホームコンサートを企画しておりました。19時、山本さんのご近所のおじいさんおばあさんがたくさん来てくださり1時間ぐらい歌いました。その後、皆様とコーヒーを飲みながら歓談しました。夜コーヒーのせいか、あまり静か過ぎたせいか、この日もほとんど眠れませんでした。
二日間で3回コンサートを行い大変疲れたけれど、たくさんの方々にお目にかかれました。わたしの歌を聞いて下さり、それが少しでも皆様のエネルギーになるのならば、何より嬉しいことだと思います。
では、つぎは、5月12日狭山市の「三富新田」と25日和歌山の「天野」に行ってきます。
再見 崔宗宝
写真提供 榎本えみ様 上から 石垣の家 熱唱 喜んでくださるお客様 フィガロ 地元コーラスと共演 海への石段で
第32回 2013年4月27日 三重県尾鷲市須賀利町 旧須賀利小学校体育館
地元新聞より
27日にほんの里100選記念コンサート(須賀利区と尾鷲市主催)があり、中国人バリトン歌手の崔宗宝さん(53)が日本や中国、世界の名曲14曲を披露し、会場に詰めかけた市内外の約170人が美声に酔いしれた。全国100ヵ所のうち、県内では須賀利町と紀宝町浅里が選ばれた。記念コンサートは崔宗宝さんが100ヵ所すべてを巡る。32ヵ所目となるこの日のコンサートには地元や市内、紀北町、奈良県から約170人が詰めかけた。崔宗宝さんは流暢な日本語であいさつ。公演前には須賀利の町を散策してこの場所に合ったきょっくをと急遽曲目を変更した。
会場にあったピアノの弾き語りで中国民謡の「牧歌」「故郷の月」「万里の長城」など中国歌曲を披露。「千の風になって」「荒城の月」などの日本歌曲、カッチーニの「アヴェ・マリア」「アメージンググレイス」「フィガロの結婚」など世界の名曲も声量のある美声で歌い上げ、会場を魅了した。曲間には「須賀利は空き家が多いので僕も別荘に一軒借りたい。お金があれば。」などと軽妙なトークで会場を沸かせた。アンコールで「君といつまでも」「北国の春」を披露して大いに盛り上がった。地元の山下智恵子さん(78)は「須賀利にこんなに人が集まるのはうれしいし、歌もすごくよかった。大好きなアメージンググレイスを生で聞けて最高」と笑顔で話していた。
コンサート終了後、住民との交流会に参加した崔さんは「海の目の前で歌える機会はめったにない。自然の中でゆったりとできるすごくよい環境。100ヵ所を回るのに10年ほどかかるが、近くに来たときは須賀利に寄って今度は釣りを楽しみたい」と絶賛。須賀利区の谷口昇区長は「100選に選ばれて急にコンサートの話が舞い込んできた。人が集まるか心配だったが市内や紀北町からもたくさん来てくれて大成功だった。崔さんがコンサートにとてもよい場所と言っていたので機会があればまたやりたい」と話していた。
ガイナモンジャッタ。とにもかにも素晴らしかった。この感動はなんと表現していいのか分からない。まさに至福のときじゃった。
友人の車に乗せてもろて、バリトン歌手の崔宗宝さんの公演を聞きに行った。この公演は「にほんの里100選記念コンサート」と題して、須賀利地区が主催、共催は尾鷲市で旧須賀利小学校の体育館で開催された。
崔宗宝は北京出身で、地元の大学を出て1992年に来日し、94年に東京芸術大学に入学、98年同大学院を修了、アメリカに短期留学をした。その後さまざまなオペラなどに出演し高い評価を受けていたという。最初、3曲ほどピアノを弾きながら歌ってくれた。むろんこのピアノは須賀利小学校のものらしく、調律も十数年前にされたままらしい。しかしそれでも、われわれ素人にも不思議な感動を与えてくれた。また名曲中の名曲と紹介された「荒城の月」を中国語と日本語で歌った。
こんな素晴らしい公演は、」われわれの地域では二度と聞けるもんじゃないと思う。しかも無料なんじゃな。うまくまとまった文章がかけないのは、興奮がさめやらんからなんじゃろか。それにしてもこんなすごいコンサートを、どのようにして引っ張ってきたんじゃろか?主催者の須賀利区長さんに聞きたいと思っていたが、お忙しそうじゃったので遠慮した。
帰宅して、妻に「どうやったどな?」と聞かれて、「あの声量、そして艶のある声はガイナモンジャッタ。オレも負けたげ」とわけの分からんことを口走って笑われた。主催者の方々ホンマに有難うございました。心がすっかり洗われましたがな。
同行記 (榎本えみさん。須賀利出身の崔宗宝友の会東京支部長。今回のコンサートの実現の為地元と連携してくださいました。)
前夜、須賀利センターの小池センター長と3月までセンター長だった泉さんが夕食に同席してくださり、明日のコンサートの成功を予感しました。
当日よい天気に恵まれ、海は碧く静かな須賀利に着くと崔さんは早速地域の見学。その結果崔さんの故郷は増え続け、お気に入りの場所も増え続け、里の人々は大喜びの一日でした。会場での様子は冒頭の崔さんの日記に書かれていますので、省きます。後日岩田市長はじめ最初の窓口となってくださった商工観光課の佐野さん、谷口区長、センター長の小池さんからお電話をいただき、皆さんが会うごとに「よかったな」という感想を聞かせてくださり、本当にうれしいと言うことをお聞きして、私も夫も故郷への恩返しができたようなきがいたしました。(榎本えみ)
写真提供 榎本えみ様 須賀利の海 体育館いっぱいのお客様 フニクリフニクラ ピアノの弾き語り 須賀利熱唱1 若いお客様達 須賀利熱唱2 4/26浅里で榎本さんと