崔宗宝、バリトンの旅
にほんの里100選をめぐる
オペラ歌手 里の歌旅

第67回にほんの里100選コンサートin上世屋(京都府宮津市日置)、第68回in与謝郡伊根町

 

 

日時:2018年10月26日(金)
会場:老人ホーム青嵐荘、長寿苑特別養護老人ホーム②

安倍晋三首相の訪中で、「競争から協調へ」など新三原則が確認されました。国際会議への出席を除き、日本の首相が中国を公式訪問するのは、平成23年12月の野田佳彦首相以来約7年ぶりとなります。これから日本と中国の両国の関係は、新しい時代に入って欲しいと思います。
ところでこの日の私は、京都府の上世屋の老人ホーム青嵐荘(宮津市日置)と、伊根湾の舟屋群に近い老人ホーム長寿苑(与謝郡伊根町)で、「にほんの里100選」コンサートを行いました。偶然にも、日本と中国のトップ二人が会談しているときに、オペラ歌手の私は日本の里山にある老人ホームで、日中友好のためにボランティア活動を行っています。
③ 今日の二つのコンサートで一番記憶に残ったのは、老人ホームの後期高齢者の皆さんが私と一緒に日本の童謡を歌ってくれたことです。本当に楽しかった。コンサートの最後に、私崔宗宝が歌う日本の心のCDをプレゼントしました。
今回の伊根湾の舟屋群は、今まで歌ってきた67ケ所の中でも、特に印象的な場所のひとつです。若狭湾に面した伊根浦は日本海側には珍しく南に開けた静かな入江であり、東、西、北の三方を山に囲まれています。伊根浦を特徴づけるのは海岸沿いに連続する舟屋群ですが、明治13年から昭和25年まで、たくさんの二階建ての瓦葺の建物が造られました。
また、昭和6年から約10年の歳月を費やして行われた府道伊根港線の拡張工事は、総延長約5キロにわたって幅員4mの道路を主屋と舟屋との間に敷設するものです。これによって、それまで主屋と近接して建っていた舟屋や土蔵が海側へと移設され、多くの舟屋が二階建てに変わっ⑤ていきました。
それ以後は大きな変化も無く、同形態、同規模で連続性のある舟屋群の景観が継承され、現在でも約230棟の舟屋が伊根湾の海岸沿いに連続して建ち並び、歴史的風致を形成しています。これらを囲む漁付林という周辺環境とあいまって、独特の歴史の景観を今日にも伝えています。
こんな素晴らしい景観を世界に発信していけば、海外からの観光客はもっと大勢来ると思います。とりあえず、私の友達に宣伝したいと思います。

 

④

 

第66回にほんの里100選コンサートin大分県佐伯市大越

日時:平成30年5月28日(月)  会場:蒲江翔南学園体育館

66回目となったにほんの里100選コンサートは、大分県佐伯市大越の近くの蒲江翔南学園で開催しました。大越は、川と水路、そして人の営みと景観が優れていることで、里100選に選出されました。大越川の水はとても綺麗で、この水で育った米はすごく美味しいのです。夏には盆踊りなど沢山の伝統行事も続いています。また機会があったら、今度は夏に来たいなと思いました。  IMG_1182
今日は私の後援会の榎本さんの友人である長瀬さんが、大分空港まで迎えに来てくださいました。車で1時間半ほど走って、翔南学園に着きました。門をくぐると立派な建物が目に入り、びっくりしました。こんな山々の奥に2年前、小中一貫校が建てられたとは…。生徒数は何と約300人。ほとんどの田舎の集落や村では、子どもがどんどん減ってしまうので活気が出ず、いつも心配になってしまいます。しかしこの素晴らしい校舎と沢山の子供を見て、この町は大丈夫だと思いました。将来が明るいなと感じました。  IMG_1181
体育館のコンサートでは、いつも通り1時間ほど歌いました。その後すぐ移動して、長瀬さんが経営している老人ホームで、もう一度ミニコンサートをやりました。ほんの1時間前に小学生の前で歌った後に、今度は80歳前後の高齢者の皆さんの前で歌い、何か別世界に来た感じがしまし た。この老人ホームは開業してまだ2カ月でしたが、手厚いサービスや美味しい料理などで評判が良く、すでに沢山の方々が入居しているそうです。  今日1日で感じた事は、30-40代の若者が足りないことです。これからどうやって素晴らしい日本の里山を守っていくかが、とても大きな課題だと思いました。  IMG_1183
今日の大越は九州の里100選の最後の場所。これで九州方面は全て周りました。これからは北海道や東北の5-6ケ所を、年内に行けたら良いなと思いました。  では 次回の里山を楽しみにしております。 再見                        (崔 宗宝)  IMG_1180
 IMG_1184IMG_1185

 

第65回にほんの里100選コンサート in 岩手県遠野市

 

日時:平成29年11月27日  会場:遠野市附馬牛地区センターホール

2017年最後のにほんの里100選コンサートは11月27日、岩手県遠野市の附馬牛小学校の近くの公民館で開催されま附馬牛小学校した。今回とても嬉しかったのは附馬牛小学校のPTAが、家庭教育ゼミナールの公開講座として企画してくれたことです。何故嬉しいかと言いますと、今まで沢山の学校で歌いましたが、参加者はほとんど学校の生徒達のみで、保護者は仕事の関係でなかなか来てもらえなかったからです。子供に本格的なクラシックを聞かせる事は、とても良い授業だと私は思います。もし生徒達の親御さん達も一緒に生のクラシックを聴くことができれば、家に帰ってから子供と感想を交換し、理解できなかったところを再確認できます。あるいは私が歌った後、子供が質問をする勇気が足りなくてその時は聞けなくても、あとで親御さんを通して私に聞きたい事を教えてもらえれば、この授業の効果はか地区センターなり高くなるのではないでしようか?だから附馬牛小学校のこの企画は大賛成です。そしてこの日は生徒のご両親だけでなく、おじいちゃんおばあちゃん達も沢山来てくれて、三世代のお客様が参加してくれたのです。本当に嬉しかった。

遠野市の附馬牛の周りは沢山茅葺屋根の古民家がありますが、維持するのにはお金が沢山必要です。茅葺屋根の地区センターホール寿命は25年だと言われ、一回の建て替えは300万円位かかるようです。もしこのような古民家を上手く利用できれば。良い循環になるのでは?例えば旅館や宿などにすれば、外国人観光者は泊まりに来るのではと思いました。残り35の里100選のコンサートでも、できれば附馬牛小学校のような企画をしてもらえたら嬉しいかなと思います。では 来年また会いましよう! 

                                                   崔宗宝

 

遠野市中浜教育長様からのお手紙

寒冷の候、貴殿におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。遠野曲り屋

さて、過日は遠野市立附馬牛小学校家庭教育ゼミナールにおいて、ご多忙中にもかかわらず講師を務めていただき、心より感謝申し上げます。

児童、保護者、教職員、地域関係者を対象に、「日本・中国二つの故郷を歌う」と題し、ご講演と世界各地の歌を聞かせていただき、ありがとうございました。崔様がおっしゃったように、オペラやクラシックをなどを聴く機会が少ない当市の児童らにとって、それらに触れる貴重な機会を設けていただいたと感じております。

また、中国語やイタリア語を教えていただいたり、日本の唱歌をもっと歌って、知ってほしいとお話いただいたことは、多様な文化について理解を深めるきっかけになるものと考えています。

そして、崔様の歌の第一声を聞いたときの子供たちの驚きの表情。世界各郷土料理地の歌を真剣に聴く表情。日頃の生活ではできないことに触れ、子どもたちの世界がひろがったと感じました。

子どもの成長には、保護者や大人の支えが不可欠です。家庭、地域で子どもたちの健やかな成長を支えるために、当市でも家庭教育に力を注いで参りますので、引き続きご指導賜りますようお願い申し上げます。

最後になりましたが、崔様のご健康とご活躍をご記念申し上げ、家庭教育ゼミナールの御礼をさせていただきます。

敬具

平成29年12月1日 崔宗宝様遠野遠景

遠野市教育委員会 教育長 中浜 艶子

 

編集後記

最初に遠野市附馬牛公民館(現地区センター)からお電話を頂き、附馬牛小学校にもお話をしたいからと待っていただきました。平成29年2月頃遠野市立附馬牛小学校佐藤教頭先生からお電話があり、11月頃開催したいとのことでした。その後佐藤先生がご退職となり、帷子教頭先生に変わり、附馬牛地区センター様との連絡を取っていただいて、共催が可能となりました。地区センター所長様にお出迎えいただいた後、里の様子をご案内いただき、おいしい郷土料理をご馳走になりました。本当にありがとうございました。小学校で講演の後、地区センターに移り、コンサートを行いました。演奏日誌にもある通り、PTA主催ということで、ご父兄や地域の方々も生徒さんと一緒に聴いて下さり、とても嬉しかったようです。皆々様にお世話になり、柳田国男さんの遠野物語の民話の風景も見せていただき、楽しい一日でした。お世話になりました皆様に心から感謝申し上げます。(里山担当高木ユリ)

 

 

 

 

第64選にほんの里100選コンサートin青森県佐井村福浦

日時:平成29年11月13日(月)13:30より 場所:佐井村立福浦小中学校体育館

憧れの東北方面の里山コンサートの日がやっと来ました。私は暑さには弱いのですが、寒さには全く平気な体質で、いつ頃北国の雪を見られるかなと楽しみにしていました。今回は紅葉の後、雪が降る前の季節だっ大湊近くの駅たので、雪国を見る事は出来ませんでした。この日(11月13日)朝6時30分東京駅発の東北新幹線はやぶさ号に乗り、八戸駅で降りて青い森鉄道に乗り換え、11時13分大湊駅に到着しました。そこで福浦小中学校の教頭祐川先生が車で迎えに来てくれ、昼の12時20分頃学校に到着しました。青い森鉄道に乗る時、東北の広さと景色に感動しました。車の中では、教頭先生に色々な事を教えてもらいました。現在の福浦小中学校は小学生2人、中学生3人で、全校生は5人でした。先生は7人、これは感動ですよ!だって一対一の授業でしょう!この5人の生徒はどんなに幸せかなと思いました。東京では普通1人の先生が、1クラス40名ほどの生徒を面倒見ないといけないのでしょう?それに比べここでは、生徒車窓から達は何か問題がある時先生に聞き放題でしょう!ある意味、田舎の生徒の方が、幸せなのかなと思いました。福浦集落の人々はほとんどが漁師で、そのうち24名程が歌舞伎をされると言います。福浦集落の歌舞伎は明治23年から伝承され、もうすでに100年を超えてます。日本全国の農村の歌舞伎は多いですが、漁師の歌舞伎は珍しく、また方言でやるのは本当に素晴らしい。この日もっと福浦集落の歌舞伎の事を知りたかったですが、滞在時間はわずかの3時間ですので、無理でした。 学校のコンサートは13時30分から始まり、地元の方々と近く単線電車の学校の生徒5人を含め30人程が集まりました。終演後可愛い生徒から花束をもらい、本当に楽しかったです。今度福浦の紅葉の綺麗な時季にもう一度来たいなと思ったところ、来年この学校が閉校となると聞いてびっくりしました。まだまだ綺麗な校舎でもったないなと、残念な気持ちが胸に残りました。じゃ、もし来年の閉校のイベントがあれば是非参加したいと考えました。今月もう一つ東北の里山コンサートがあります、それは岩手です。今から楽しみにしてます。 崔宗宝

福浦小中学校祐川教頭先生よりのお手紙  

おはようございます。昨日、コンサートを盛況のうちに終えることができました。曇り空でしたが、こちら福浦小中学校では日常の強風が吹くこともなく、穏やかな天候に恵まれました。子どもたちのほか、地域の方々の参加もあり、崔さんの会場中に響き渡る声量と美しい歌声に参加者みんなが感激いたしました。閉校前に素晴らしい思い出ができたとみんなで話しております。このようなすばらしい機会をつくっていただき、心から感謝しております。ありがとうございました。

また、崔さんのスマホで写真はとりましたが、動画はビデオで撮影しましたので後日DVDでお送りしようと思いますので、送り先を教えていただきたいと思います。それでは、崔さんをはじめ、皆様にもよろしくお伝えください。発声練習

佐井村立福浦小学校  教頭  祐川 文規

 

編集後記皆で練習

 佐井村小学校の齋藤教頭先生から一昨年の8月にご連絡をいただき、人数が少ない小中学校だが、やってもらえるかとお問い合わせがありました。もちろん伺いますと申し上げました。その後齋藤先生から祐川先生に教頭先生が代わり、何度かのやり取りの後、実現花束しました。遠いにも関わらず崔さんの都合で日帰りとなり、忙しい日程で祐川先生初め職員のみなさまには大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。八戸乗り換えとのことで、私も八戸在住の大学時代の友人と一緒に伺い、その夜は八戸一泊を考えておりましたが、残念ながら癌の再発で行かれなくなりました。崔さんの一人旅となりましたが、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。福浦小中学校から生徒さん5名、先生7名、お隣の牛滝小学校から生徒5名、先生4名、その他地域からご参加の方をお迎えして、いつものコンサート曲にプラスして校歌合唱、発声練習などを皆様で楽しみました。その後祐川先生から当日の様子をDVDにした物も送っていただきました。本当にありがとうごさようならざいました。またいつかお目にかかれる日を楽しみにしております。(里山担当 高木ユリ)

第63選にほんの里100選in徳島県上勝町

日時:平成29年11月15日(日)13時より  会場:田野々の棚田「棚田音楽祭」会場

(演奏日誌 崔 宗宝)

山、山、また山。徳島空港から友人の車に乗り込んで、音楽祭を開催する場所まで2時間ほど走りました。こ①の日は「にほんの里100選」に選ばれた徳島県上勝町の棚田で、“大地にささげる音楽祭”が開かれました。私は里山コンサート第63回として、参加させていただきました。いつもと違って今回は、地元の上勝中学校と小学校及び地元のお年寄りのサークルの方々も出演して、とても賑やかな音楽祭でした。

徳島県は80%が山と言われ、平地はとても少ないのです。上勝町は、徳島県中央部の山間部に位置する豊かな水と杉の山並みが美しい山里です。その姿は、200年前から現在までほぼ②変わらない状態で残されています。今回の音楽祭の会場は棚田の上に作られており、観客は上の棚田に座って下の舞台を見るという、まるでイタリアのローマ野外劇場のような風景でした。音楽祭のオープンニンーグは田野々名若連の方々が日本の伝統音楽を演奏し、そのあとのオカリナサークルの素敵な演奏も素晴らしかったです。そしてそのあとが私の出番です。

この上勝町の棚田の風景を見て、日本の童謡「赤とんぼ」が1番似合うかなと思い、上勝中④学校の二年生の野田あつ子ちゃんに急なお願いをし、彼女のフルートの伴奏で「赤とんぼ」を歌いました。あつ子ちゃんはとても上手で、旋律を教えたらすぐ演奏できました。棚田に座っている観客は大興奮となりました。あつ子ちゃん!ありがとう😊今日の里山コンサートは、私自分自身もすごく楽しかった。小学生と中学生達と一緒に舞台を立ち、音楽に交流ができて、本当に良かったと思います。  第64回里山コンサートは青森です。どんな風景を見れるか、どんな方々とお目にかかれるか、今から楽しみです。

 

朝日新聞徳島県版2017年11月6日記事より

棚田に響く プロの歌

上勝音楽祭 中国の崔さん披露

好天に恵まれた3連休最終日の5日、上勝町旭田野々で「第16回棚田の音色大地にささげる音楽祭」が開かれた。近くの八重地地区が、20091年発表の「にほんの里100選」(朝日新聞社、森林文化協会主催)に選ばれたのを記念し、中国人バリトン歌手、崔宗宝さんが出演。里山の景観を背景に美しく豊かな歌声を響かせた。

この日朝に徳島入りした崔さんは「景色が美しく、人があたたかい。でも、あと10年もすると人がいなくなる地区があると聞いた。この里山をなんとか残さないと」と語った。

音楽祭では、稲刈りを終えた棚田を階段状のホールに見立て、徳島市のマーチングバンドや地元のだんじり囃子、小中学生らがステージに立った。崔さんが歌う童謡「赤とんぼ」の伴奏は、町立上勝中音楽部員でフルート奏者の野田亜寿桂子さん(14歳)。野田さんはこの日のリハーサル後に、崔さんに伴奏を頼まれたといい、「最初は頭が真っ白になったけど、頑張りました。」とにっこり。崔さんは「音程がとても安定していた。」と評した。オカリナグループ「エスペランサ」の赤根登喜恵さん(59)は「美声と声量、人柄もすてきでした。」と話した。

実行委員長の武市泰徳さんは「今年も良いコメができた。大地に感謝するために続けている音楽祭に沢山の人が集まってくれて、すばらしい音楽を届けることができました。」と語った。

徳島新聞(2017年11月10日)より

演奏や合唱 棚田に響く 

上勝 音楽祭に聴衆300人

 上野町旭の「田野々の棚田」で「棚田の音色 大地に捧げる音楽祭」が開かれた。町内外の6組が楽器演奏や合唱を披露し、約300人が聞き入った。棚田に設けられたステージには、日本各地の棚田を巡る中国人オペラ歌手の崔宗宝さん(57)=神奈川県大和市=が登場。「アメージン・ググレイス」や「フニクリフニクラ」などの名曲を高らかに歌い上げた。

童謡「赤とんぼ」では、上勝中学校3年(14)がフルートで共演。柔らかな歌声と音色が秋の空に響き渡り、来場者からは大きな拍手が送られた。

上勝中の25人は板野町出身のシンガーソングライター、アンジェラ・アキさんの「手紙~拝啓十五の君へ」を合唱した。県内のマーチング愛好者でつくる「トクシマインディゴウズ」のパフォーマンスもあった。

野田さんは「崔さんとの演奏は新鮮で楽しかった。上勝中生として最後の音楽祭となり、寂しいが、とても良い経験になった」と話した。(松村万由子)

 

参加したファン四宮様からの感想文

第63回徳島上勝町棚田の音色        四宮ヨシ

4年越しの恋人を待つような・・・・・待ち焦がれた今回の「にほんの里100選」コンサート。4年前、2013年4月6日、徳島県三郷(大神高開)の地、春満開でみごとな芝桜の咲く石積みコンサート(の予定でした)。春の雨台風で、崔さんを乗せた朝一番の飛行機は?開催は?帰りの便は?と気をもむ一日であったが、開始後まもなく大雨となり、石積みの民家から急遽「ほたる館」へ移動、地元の人達、関係者の尽力、配慮で滞りなく進行でき、感謝の連続だったと記憶している。

本県2か所目の今回上勝町は三棚田(八重地・市宇・多野々)のコンサートを毎年順番に開催し、実施の時期、運営等は担当実行委員会が進め、町の活性化につなげていることを知り、それに乗せていただいた。

田野々のコンサートは稲刈り後の棚田にコンパネを敷いてステージを作り、階段になった観客席からもよく見える配慮づくり。地元の上勝小、中学生の合唱、地元女性グループのオカリナ、だんじりの祭囃子等、地元の人達が自らの手で継続開催し、絆づくりにつなげている。そんな山里に本物のバリトン歌手、崔宗宝氏の来徳は有り難く嬉しい限りでである。

柔らかく声量のある歌声は、心から晴れやかに胸の奥底から「ぐわ~!」と迫ってきて、自然に涙が出て止まらなくなった。背筋を伸ばし聴き入った。特に中学生(フルート)の伴奏での「赤とんぼ」は、天高く、やわならな、やさしい日本語の音色が響き、私達聴衆もたっぷりと酔いしれたが、14才の彼女には大変よい幸運に恵まれた機会となり、一生の宝となることでしょう。小中学生の子供達にとって、本物に目で耳で肌で心で触れられたことは、大きな思い出となりました。これからも音楽を楽しめる子供が育ってくれることを祈っています。

『秋天に 田の音色 伸びる子ら』

 

棚田音楽祭実行委員会武市泰徳様からのお便り

先日は、棚田音楽祭出演に関して大変お世話になりました。

先ずは、崔さんの声掛けで一緒にフルートを演奏された中学校の野田さんよりの言葉です。「オペラ歌手の方と一緒に演奏するというのは、今までしたことのない経験で、とてもよかったです。今の私はフルートの技術も音楽の知識もまだまだなので、沢山努力していきたいと思います。これからも上勝町に楽しく素敵な音楽を届けたいと思います。崔さん、お声をかけていただいて、本当にありがとうございました。」

続きまして、私(武市様)の方からお礼を申し上げます。この棚田音楽祭で県外より参加された方は、崔さんが初めてでした。今回、棚田で風を感じられて選んでいただいた曲。本当にこの上勝町にあった曲を歌っていただいて、本当にありがとうございました。また、観客スタッフ一同の心を魅了する歌声。上勝の田野々の棚田で歌っていただいて、本当にありがとうございました。

里山100選での出演もまだあると思いますが、先ずは体調崩さぬように十分お気を付けください。そして各地の里山へその素晴らしい歌声を届けてもらえたらと思います。崔さんに出演して頂いたことは棚田音楽祭実行委員会の一生の思い出になるでしょう。短くはありますが

、今回の謝礼文含めとさせていただきます。また、上勝町で歌っていただけたら幸いです。

 

今回世話役の後援会会員による同行記

第63回徳島上勝町里山コンサート晴天にて終了

              崔宗宝後援会会員 榎本えみ

 

ステージは棚田、観客席も棚田、大自然が舞台の里山流音楽祭、周辺地元住民総出の音楽祭が、時間ピッタリに始まりました。インディゴウズのスターティングマーチで始まりを告げ、収穫祭に奉納する『だんじり』、地元女性の方たちのオカリナ演奏の次が、崔さんの持ち時間でした。次に小学校と中学校の歌と合唱、帰りの飛行機の時間の菅家で最後まで参加できませんでした。

その自然の中で崔さんが歌うとき、その声は深い山懐の中で溶け込み、コンサート前に100選の地「八重地」に足を延ばして、畑の野菜は青々と育ち、広くひろくまさにローマのコロッセオの中にいるような感覚に酔いしれた、そのまんまの感情がコンサート会場でも広がりました。

野田さんという女子中学生が、崔さんの要望で即興でフルートにて「赤とんぼ」を伴奏しました。この何とも自然に溶け込む崔さんの想定内(私にとっては)の声掛けに、棚田に敷物をしいて聞いてくださる観客の皆様には、きっときっと想定外のうれしい出来事だったと思います。崔さんの自然体に生きる人柄の一面を今回も楽しませていただきました。

崔さんありがとうございました。

森林文化協会様、そんな崔さんの活動を支えていただきまして、ありがとうございます。

 

 

 

 

1 2 3 »

サイクル旅日記
ふれあい、自転車の旅
にほんの里100選をめぐった記録
崔宗宝、バリトンの旅
にほんの里100選をめぐる
オペラ歌手 里の歌旅