崔宗宝、バリトンの旅
にほんの里100選をめぐる
オペラ歌手 里の歌旅

第37回にほんの里100選記念コンサートin和白

第36回平成26年2月25日 福岡県福岡市和白小学校体育館

崔宗宝演奏日誌

4ヵ月ぶりの里山コンサートを先日福岡県の和白小学校で行いました。先回の阿蘇中学校に続き、今回は小学校でした。

和白小学校は、『にほんの里100選』に選ばれた和白干潟にとても近くて、コンサート後、和白干潟を守る会の代表・山本様を初めメンバー5名の方々が、私たちを案内して下さり和白干潟を見学しました。

和白干潟は、博多湾の東奥部にある約80haの干潟です。埋立て等で全国でもわずかになってしまった貴重な干潟には、沢山の貝やカニ、ゴカイなどの底生動物が住んでいます。これらを求めて、魚や鳥たちが集まります。1980年以降、237種類もの野鳥が記録されています。

中でも、ミヤコドリの定期的渡来地として、全国的に有名だそうです。

当日天気に恵まれたので、私たちは山本様たちの望遠鏡をお借りして、沢山の渡り鳥を見ることができました。ミヤコドリとホウロクシギがとても美しく、普通は動物園でしか見られない鳥たちを、この自然の中で沢山見られてすごく感動しました。

話は戻りますが、和白小学校でのコンサートには、1年生から6年生まで700名の生徒さんたちと保護者の方々を含め800名位来て下さいました。

生徒さんたちは、日本の未来です。このような形で、歌を通じて中国の音楽を理解してくれたら、私は将来彼達は絶対「日中友好の懸け橋」になると信じています。

コンサートの最後に質問コーナーを設けました。沢山の生徒さんが手を挙げて、いろいろな質問をしてくれました。一番多かった質問は、「どうしたら大きい声を出せますか?」ということでした。時間の関係で、全員の質問に全部答えることは、出来ませんでしたが、また来ようと心から思いました。

では、ここまでにしましょう。次回は、宮城県の江島です。

お楽しみに・・・

崔 宗宝

和白地区父兄からの感想文

第三地区民生委員 児童委員 和白校区自治協議会副会長 斉藤桂子

崔宗宝さんの「にほんの里100選」記念コンサートに参加させていただき、身近に本格的なオペラの歌声を聞く事が出来、感動と共に至福の時を過ごす事が出来ました。小学生達もオペラ、歌と共に日本・中国の故郷の歌で、中国を知る事が出来、世界は一つだと思う心が、本物の歌から学び育まれて来たように思えました。

又、東北の震災被害は日本中の大人も子供も忘れる事が出来ない悲劇です。風化させないため、瓦礫と一本松で作られたヴァイオリンは全国を巡りながら、この和白小学校で聞く事が出来、その音色は忘れる事ができません。胸に熱く感じました。本当に素晴らしい崔宗宝さんのコンサート(本物のオペラ)でした。有り難うございました。

和白小学校生徒達からの感想文

☆崔宗宝さんへ 今日は私達小学校の生徒にふだん聞く機会があまりない中国の歌、日本の昔の歌、そしてオペラを歌って下さり、聞かせて下さって有り難うございました。私が特に好きだなと思った曲は「奇跡の一本松」が魂柱になっているヴァイオリンの演奏と崔宗宝さんの歌声がコラボした曲とアメージンググレイスです。来年、私達6年生はいないけど、また、是非和白小学校に来て下さい。(A.Oさん)

☆この前は和白小学校に来てくれてありがとうございました。「バリトン」という音域を聞いた事がなく、とても嬉しかったです。ソプラノとアルトしか音域を知らなかったけど、新しくバリトンという音域をしりました。とても低い声で私にはだせません。だからとてもすごいと思いました。しかも中国語で歌っていたので、日本人の私には分からなかったけど、すごいと思いました。とても楽しかったです。(K.Kさん)

☆今日は色々な曲を歌って下さってありがとうございました。バリトンコンサートを初めて見て、聴いて思った事は、とても歌声がひびいていて、すごいと思った事です。体育館は結構広いし、崔宗宝さんだけで、あんなに響く声を出していてすごいと思いました。もう一つはヴァイオリンです。一本松の絵が描かれていた魂柱を見てとてもいいヴァイオリンだと思いました。少し高い音がきれいでした。崔宗宝さんの歌声とヴァイオリンの音はきれいで大きく圧倒されました。これからも頑張って下さい。質問1.お腹から声を出す時に良く声を出す方法はなんですか? 質問2.何故歌手になろうと思ったのですか? 質問3.歌手に成って一番嬉しかった事はなんですか? 質問4.歌を歌う時大変な事はなんですか? 質問5.ヴァイオリンの指使いは難しいですか? 質問6.ヴァイオリンは何段階音を出せますか? 質問7.絶対音感は持っていますか?(H.E君)

☆崔宗宝さんのように僕もかっこうよく歌いたいです。背の高さ、手の大きさ、足の長さなど崔宗宝のように大きくなりたいです。中国の歌など、色々な歌等を歌ってくれてありがとうございます。また来て下さい。(H.O君)

☆まず一番印象に残ったのは「千の風になって」でした。ぼくも知っているし、実際に生の声を聞けて、とっても歌声がすごくて「いい曲だなー。」と思いながら聞いていました。またお母さんも聞いていたんですが、「会場でもない体育館であんな歌声がでるなんてすごいよねー。」と言ってました。僕もそう思っていました。さらに、あの東日本大震災が起きた時、奇跡的にも残ったあの一本松で作ったヴァイオリンを見るまた聞く事が出来ました。他にもいろいろな歌、特に中国語やイタリア語の』歌もとっても楽しかったです。今日はお忙しい中僕たち和白小学校の140周年記念コンサートに来て下さり、ありがとうございました。最後に質問が一つあります。それは、「なぜ日本にきたのか?」ということです。ご回答よろしくお願いします。(K.K君))*回答お待ち下さい。

☆歌がとってもあきれいだった〜♪。ヴァイオリンがとてもきれいな音色でうっとりしました。また聞ける機会があったら歌もヴァイオリンも聞きたいです。25日は本当に楽しかった〜♪(歌が)! 今日の2時間ずっとうっとりしていた。知っている曲があったので、分かりやすくて面白かった〜!(一部省略)生の声は初めてだったし、テレビでしか聞いた事がなかったから、聞けて良かったと思いました。生の声はテレビの声と全然違うからとっても驚きました。(N.Kさん)

☆コンサートを鑑賞して思ったことは、やっぱりきれいな声をしていて、とってもくいつき(笑)たくなるようなコンサートだなあ〜と思いました。息とか長続きするし、大きな声ではきはきと歌っていたので、感動しました。楽器の方で私は低い音を出す方が好みです。なので、低い声で歌っていたので、良かったです。私は歌う事が好きで、よく歌っています(家で)。今日の事を参考にして、今よりもっと大きな声でわかりやすく歌いたいです。今日はお忙しい中、私達の為にこんな素敵な歌声、楽器を聞かせて下さってありがとうございました。(N.Mさん)

☆私はあんまり生で、ああいうコンサートを聞いたことがありませんでした。初めて聞いてみて、生で聞くとすごく迫力があるなーと思いました。私は外国の人が歌うのを聞いたことがないので、聞いて、日本の歌でも外国の人が歌うと違うんだなと思いました。ヴァイオリンをテレビとかで良く聞くけど、やっぱり生で聞いた方がきれいに聞こえました。ヴァイオリンは一度弾いてみたいと思っていたけど、やっぱり難しそうでした。あんまりゆっくりした歌なので、途中で眠くなりました。もう一度聞きたいです。(M.H.さん)

追記

1年前くらいからアプローチしていましたが、なかなか実現しませんでした。高木友人の福岡市在住柴田様が2013年9月になって市議会議員の方を通してお願いし、やっと実現しました。明治の初めに出来た和白小学校は2014年創立140周年を迎え、日本代表サッカー選手を呼ぶ等、生徒達に本物と接するチャンスを持とうという学校の趣旨に沿って、校長先生、猪迫教頭先生がご尽力下さいました。他の100選の地と違い、都市の住宅街の真ん中にある小学校で、800人が迎えてくれました。1年生から6年生までなので、理解出来るかと少し心配されたようですが、子ども達はすぐ崔さんに慣れ、質問コーナーは沢山手が挙がり、最後は出口に向かう全員とハイタッチして、お別れしました。こんなに盛り上がるなら、ビデオを撮れば良かったと思ったくらいです。コンサートの後は和白干潟を守る会の皆様にご案内いただき、潮が引いた広い干潟を見学し、沢山の珍しい鳥を教えて頂きました。お世話になりました柴田様、森様、三角様、そして小学校の皆々様、和白干潟を守る会の皆様、本当に有り難うございました。(高木ユリ記)

第36回にほんの里100選記念コンサートin 石部

第36回2013年11月23日 静岡県松崎町石部棚田下

崔宗宝演奏日誌

11月23日(土)静岡県の松崎町石部で「里山コンサート」を行いました。海老名(神奈川県)と松崎町は、隣の県ですが、遠か・・・・った!松崎町は、東名の沼津ICから、また120分かかります。この日は、秋晴れの気持ちの良い本当に秋らしい日でした。中国語で言うと“秋高気爽”です。「秋空が高く空気がすがすがしい」という意味です。石部に行く途中、富士山が良く見えました。改めて世界遺産・富士山は、きれいだなあと思いました。

石部という所は、富士山を望む、半農半漁の里です。海

に面して石組みの棚田が広がっています。棚田は、今オーナー方式で、1年3万円ぐらい払えば自分でいつでも、この田んぼで楽しくお米を作れます。海老名に近かったら私もやりたいなぁ~。

棚田は、沢山良い所があるので、少し、皆様にご紹介したいと思います。

まず、地中に浸透した雨水をゆっくりと川などに流して行くことで、渇水や洪水を緩和する機能を持ちます。その2は、蓄えられた水は、浄化され、湧水や地下水となり、私たちの飲料水になります。その3は、大量の雨水を一旦田んぼの中に蓄え、洪水を防いでいるダムの機能を持っています。その4は、雨水を貯め込んで土砂の流出を防ぎ地すべりなどの大きな災害を防ぎます。

それから、光合成により、二酸化炭素を吸収して酸素を作り出し、空気を浄化します。また、田んぼにたまった水がゆっくりと蒸発することで、気温の上昇を抑えられる等など・・・。こんな素晴らしい里山は、世界中でもあまりないでしょう。ここで暮らしている方々が、のんびりしていて本当に幸せだと感じます。

この日のコンサートは、棚田のところで歌ったので、聞いて下さるお客様は、棚田の上に座り、まるで天然の「オペラハウス」の座席みたいで、とても不思議な感じでした。この日は夜、別の仕事があったので、歌った後すぐ会場を去りました。それで、皆様と歓談ができなくて、とても残念だなあと思いました。

また、いつか、棚田のお米を収穫するころに、この景色を見に行きたいと思っております。  ではまた~!

2013年11月26日                   崔 宗宝

追記

海老名崔コーラスの古くからのメンバーでいらっしゃる廣田様の故郷の近くにこの石部があり、友人などを通して交渉していただき、石部音楽博覧会に参加させて頂きました。棚田の中に舞台を作り、親父バンド、バスタオル(グループ名?)などの出演の合間に、クラシックを歌いました。飛び入り歓迎の楽しい農閑期のイベントでした。主催の石部地区棚田保全推進委員会の皆様、地域おこし協力隊の方々、企画観光課の皆様、そして地元との仲介をして下さった廣田様、海老名からドライブでご一緒して下さった小林様、本当に有り難うございました。(高木ユリ記)


写真提供:廣田久美子様

第35回にほんの里100選記念コンサートin 阿蘇

第35回2013年10月11日 熊本県阿蘇市 阿蘇市立阿蘇中学校体育館

 崔宗宝演奏日誌 

 10月11日12日の二日間、熊本県の阿蘇市で、2回コンサートを行いました。阿蘇市が「里山100選」に選ばれた理由は、昔から放牧~採草~野焼きが行われた雄大な草原は、多様な動植物の生息地・火山・草原・水田が一体となった独特の景観を持っているということからです。「早く見たいなあ。」と思いながら、東京を出発しました。

 飛行機は、定刻で熊本空港に到着しました。「愛・ライフ内(うち)牧(のまき)」介護老人保健施設の事務局長の米村勲さんが、迎えに来て下さいました。この日(11日)は、阿蘇中学校で無料コンサートをを開催するため、直接、阿蘇中学校に行きました。大きな体育館に1年生から3年生まで約400名の生徒さん達がいました。それに、生徒さんたちのおじいちゃんやおばあちゃんなど30名ぐらいも来て下さいました。

 久しぶりに、中学校で歌ったので、最後に質問コーナーを設けました。例えば、生徒さんに「中国の歌を何か知っていますか?」など私は質問しましたが、残念ながら皆知りませんでした。多分教科書に載っていなかったのだろうと思いました。私が中学生の頃、日本の「サクラサクラ」「赤とんぼ」「浜辺の歌」「荒城の月」など学校で覚えました。だから、私が日本に初めて来て、これらの歌を歌った時、とっても懐かしい感じがしました。

もし、日本の教科書に中国の歌が載っていて教えられていたら、この子たちが、大学生や社会人になった時、中国に留学するかもしれないし、出張で中国に行くかもしれません。そういうときに、この子たちが中国の歌を歌ったら、中国の人たちは絶対に喜ぶと思います。お互いにコミュニケーションもとれるし、信頼関係も築けます。

『音楽には、そういう力があります!音楽には、国境がないから!』

 阿蘇中学校での本番が終わると、すぐ移動して、近くにある「愛・ライフ内牧」老人施設で、ミニコンサートを行いました。

ここに住んでいらっしゃる方は、ほとんど80歳以上の方で、皆さん全員車椅子を利用されていました。、聞いて下さるお客様が、80歳以上の方ですから、「昴」「見上げてごらん夜の星を」「北国の春」「荒城の月」等を歌いました。皆さん大喜びでした。喜んで頂けて私も嬉しかったです。

 12日の午前中は、米村さんが、私を大観峰に連れて行って下さり、日本最大のススキの草原を見学いたしました。大観峰から見たその雄大な草原の景色は、中国の内モンゴル地区の景観とよく似ています。太陽の光の反射でキラキラしているススキと点在している牧場にすごく感動しました。

第35回2013年10月12日 熊本県阿蘇市 阿蘇阿蘇いこいの村

 午後、おこなった里山コンサート会場は、リゾートホテル「阿蘇いこいの村」でした。10代から80代まで100人位のお客様が来て下さいました。歌は、もちろん、中国の歌・日本の歌そして、世界の歌を歌いましたが、午前中見た大草原を想像して、中国・内モンゴルの歌「牧歌」を歌いました。この「牧歌」の旋律と歌詞の内容は、阿蘇の里山にぴったりの歌です。

 藍藍的天空  飄着白雲  白雲的下面  盖着雲白的羊群(阿蘇は、馬・牛)

 中国語に興味がある方は、この歌詞の意味を調べて見て下さい。

 二日間で、すごくたくさんの楽しい思い出ができました。阿蘇の雄大な景色と皆様のことは忘れません。本当にありがとうございました。来月23日は、静岡県の里山に行ってきます。

再見!                崔 宗宝

阿蘇中学校生徒からの感想文

☆ この前は阿蘇中のために遠くから足を運んでいただきありがとうございました。初めてのバリトン歌手の歌声をきいて迫力があって、ついつい目をみひらいてしまいました。わからない歌もありましたがとりあえず圧倒されました。最初はマイクをつけて歌っているのかと思いましたけど、マイクをつけてなくて、同じ人間ののどを持っているのに私には出ないと思いました。実は私は音痴で人前で歌うのが恥ずかしくて悩んでいたけど、「勇気がないだけ」と言っていただき、私も勇気を出そうと思いました。ありがとうございました。また阿蘇へいらして下さいね。(H.Iさん)

☆ 東日本大震災の後の一本松で作られたヴァイオリンは3本しかないのに、今回このような機会に聞けて本当にうれしかったです。音色がとてもキレイで、すごく感動しました。おおきな古時計や知っている曲は、今までと違う印象を受け、音の響きや音色がすごくきれいでした。 また崔さんはすごく声量が多くて、あんなに人の声は出るんだなあとびっくりしました。私も吹奏楽で息を使うので、崔さんのようにお腹から出して楽器を吹いていきたいです。ヴァイオリンや崔さん、どちらもいい勉強になりました。阿蘇中に来てくださり、本当にありがとうございました。(H.M.さん)

☆ 今回は阿蘇中学校までわざわざ足を運んでいただき、本当にありがとうございました。今回奇跡の一本松を使用したヴァイオリンの音色を聴き、本当に温かい音がするなぁと思いました。崔さんの歌は心に響き渡る素晴らしい歌でした。ヴァイオリンは話には聞いたことはあったけれど実際に音色を聴けて本当に感動しました。崔さんの歌はマイクも何も使ってないのに、よくとおる声で本当の歌手とはこのような人のことを言うんだと改めて実感しました。本当に今回はいい経験で、今後の吹奏楽部につなげていけたらいいなと思います。本当にありがとうございました。(J.M.君)

☆ 今日はお忙しい中コンサートを開いていただき、ありがとうございました。崔さんの歌声を聴いていたら、響きがあってとても声がおおきかったので、すごいと思いました。腹式呼吸をして声が大きく出てた事を知ったので、楽器を吹くのも同じことだなと思いました。「奇跡の一本松」で出来たヴァイオリンの音は、とても音がきれいで感動しました。それにヴァイオリンの音は魂柱がないとならないという事を初めて知りました。一番ビックリしたのは、その魂柱のところに「奇跡の一本松」が使われてるということです。大事なところに使われてるんだと思いました。今日はとてもいい勉強になりました。本当にありがとうございました。(M.M.さん)

☆ この間はきれいな歌声と素敵なヴァイオリンの演奏ありがとうございました。発声はお腹からすることを学び、是非生かしていきたいと思いました!崔さんのきれいな歌声にうっとりしました! 奇跡の一本松で作ったヴァイオリンは素敵な響きで、復興のメロディーが聞こえてきました。これからまた、いろんな所を旅すると思いますが、お体にきをつけて、がんばって下さい!応援しています!(S.K.さん)

☆ 今回阿蘇中に来ていただきありがとうございました。私は、バリトンの崔さんの歌声を聴いて鳥肌が立ちました。特に印象に残っている曲は「アヴェ・マリア」です。ビブラートや息遣いなどがすごいなぁと思いました。それから奇跡の一本松のヴァイオリンを聴いて、とても感激しました。裏に絵で描かれてある1本松を見て、震災の風景が思い浮かびました。これからもがんばって下さい。(M.M.君)

☆ この間はありがとうございました。私は奇跡の一本松のヴァイオリンを聴いてみて、とてもきれいな音色だと思いました。また、崔さんの歌を聞いて、私が知っている曲はあまり無かったけど、中国の曲や日本の曲を聴いていると、とてもきれいな声で、とても迫力がありました。全校生徒で歌った「花は咲く」はとてもいい曲だと思いました。本当にありがとうございました。(K.E.さん)

☆ この前は阿蘇中学校に来ていただいてありがとうございました。崔宗宝さんの歌声はとっても声が大きくて、ロングトーンの声が一定で、すごくきれいでした。今合唱コンクールで練習をしているので、とても勉強になりました。鶴和美さんのヴァイオリンの演奏はとてもきれいな音でした。私は吹奏楽部に入部していて、同じ弦楽器のコントラバスを弾いています。私はまだまだへたくそですが、鶴和美さんのようにきれいな音が出せるようにがんばりたいです。そのために練習や基礎練習を中心にがんばりたいです。本当にありがとうございました。(K.U.君)

☆ 阿蘇中に来ていただき、ありがとうございました。崔さんの歌はすごく上手くて、よく聞こえる声だなあと思いました。もうすぐ合唱コンクールがあるので、私も大きな声でしっかり歌おうと思いました。ヴァイオリンは宮城県の一本松を使ってあってビックリしました。すごくきれいな音で聞いてていい気持ちになりました。最後に演奏した「ふるさと」はすごく阿蘇に合ってると思いました。日本に2本しかないヴァイオリンを阿蘇中のために演奏していただき、本当にありがとうございました。また阿蘇中で演奏をしにきてください。(H.Y.さん)

☆ お忙しい中私たちのために歌って下さって、ありがとうございました。音の強弱などとてもためになりました。私は吹奏楽部に入っていて音の強弱などができずにいましたが、歌を聞いてお腹から出す事を知り、実際にしてみると出来たので、とてもうれしいです。また私は歌い手になろうと思っていて、あまり歌う自信がなく悩んでいました。でも歌ってみんなを笑顔にしたいのでがんばります。ちゃんとした歌い手になれるようにがんばりたいと思いました。(R.K.さん) 

☆ 僕達のために、わざわざ遠くから来ていただき、本当にありがとうございました。崔さんはマイクを使わなくてもとても大きな声が出ていて、すごいなと思いました。僕が知っている曲でもバリトンの音程で歌うととてもきれいでした。他にもヴァイオリンは一本松を使った世界に3本しかない貴重な音色を聴くことが出来たので、とても良かったです。本当にありがとうございました。(R.M.君)

☆ バリトン歌手のサイさんの歌声を聞いて、迫力があって、情熱が伝わってきました。1つ1つの歌に気持ちが伝わってきました。そしてヴァイオリンの奇跡の一本松での演奏を聴いて、1つ1つの音がきれいだと思いました。私も吹奏楽部なので、1曲1曲に気持ちを込めて演奏をしたいです。みんなで「花は咲く」を歌いました。私はこの「花は咲く」を小学校の卒業式で歌いました。改めて歌ってみて、本当にいい歌だと思いました。「花は咲く」を奇跡の一本松のヴァイオリンで演奏していて、一生の思い出になりました。サイさんと鶴さんは歌ったり、弾いたりする時に真剣な表情で、鶴さんはいい笑顔でした。高い声ばかり聞いて、低い声はこんな感じだなあと感じる事ができてよかったと思います。(M.I.さん)

☆ 10月11日に「にほんの里100選記念コンサート」がありました。バリトン歌手の「崔宗宝」さんは中国人ながらも日本語がきれいだと言うことにびっくりしました。しかし歌では外国の歌も日本の歌も歌えていてすごいです。また人間であんなに声がでるなんてびっくりです。一本松のヴァイオリンは東日本大震災に会いながらも奇跡的に一本だけ残った松の音色はきれいで落ち着くような音色でした。貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。(A.S.さん)

☆ この前は阿蘇中に来ていただき、ありがとうございました。声がすごくきれいで感動しました。また、震災で残った奇跡の一本松から作られたヴァイオリンの音色を聞いて、震災で東北の人たちが大変だったことを思い出しました。あのヴァイオリンは人々に感動を与えてくれる素晴らしい楽器だと思いました。本当にありがとうございました。(Y.Sさん)

☆ 私は10月11日崔さんのコンサートを聞いて、崔さんは腹から声を出してすごいなあと思いました。また中国の歌はもちろん日本の歌も歌っていて、音程も音色もとてもきれいでした。津波があったのに、一本だけ松が残っていたのは奇跡だったし、その一本松を使ったヴァイオリンの音を聞けたのはとてもうれしかったです。(I.N.さん)

☆ 私がまず思った事は、崔さんの声がすごかったということです!マイクも使ってないのに、大きくてビブラートのかかった声を何拍も出していてすごいと思いました。またヴァイオリンとピアノと歌「花は咲く」ではピアノの音色とヴァイオリンの音色が混ざってとても心地良かったです!歌を知らなかったので歌えなかったけど、とても心に残っています!ヴァイオリンの音色はきれいで、久しぶりに聞いたので、どんな音か忘れていたけど、高くてきれいな音で、目が離せませんでした。「大きなのっぽの古時計」は、なぜか心にジーンと来ました!!遠くから阿蘇まできてもらってありがとうございました!とてもいい学習になったし、バリトンの歌声がはじめて聞けてうれしかったです。本当にありがとうございました!!(S.H.さん) 

ヴァイオリン演奏:鶴和美氏(熊本交響楽団コンサートミストレス。シベリアシリーズで著名な画家久永強氏令嬢。)

写真提供: 鶴芳則氏 高橋玉樹氏

編集後記

 雄大な秋の阿蘇山での里山コンサートは美しさと人情を満喫する楽しい旅でした。中学校といこいの村、二つのコンサートを両方第35回と位置づけ、全てを熊本キワニスクラブ阿蘇サテライトの皆様がお世話くださいました。米村様初め地元の沢山の方々のボランティアで実現しました事感謝申し上げます。また生徒に是非本物のクラシックと津波ヴァイオリンを聞かせたいと申し出で下さった阿蘇中学校の校長先生にも心から御礼申し上げます。また快くヴァイオリンの演奏をお引き受けくださり、両会場に沢山の感動を与えて下さいました鶴和美様に感謝申し上げます。景色が美しいのみならず、地元の皆様の連携の良いチームワークに感動しました。必ずまたコンサートで伺います。中学生徒さん達の素晴らしい感想を沢山いただき本当にうれしく拝見しました。内容もしっかりしていて、とても音楽的な素養があり、礼儀正しい文章に感動しました。本当にありがとうございました。再見!(高木ユリ)

第34回にほんの里100選記念コンサートin 天野


第34回2013年5月25日 和歌山県かつらぎ町天野 旧天野小学校体育館

5月25日(土)「にほんの里100選」に選ばれた和歌山県の天野でコンサートを行いました。今回のコンサートは、『友の会』会員で和歌山県出身の田口さんが協力して下さり実現しました。
本番前の24日、私は飛行機で現地入りしました。関西空港に迎えてくださったのは、田口さんとご友人の坊康子さんご夫妻の3人でした。車で1時間ほど走って天野トンネルを抜けたら、目に入ったのは、森や田園が家々に調和した桃源郷(中国語・世外桃源)の風景でした。

天野には、弘法大師・空海が真言密教の聖地・高野山を開創する際、神領を貸地した約1700年の歴史を持つ丹生都比売神社(にふつひめ・にうつひめ神社)があります。この神社は、9年前・2004年7月に世界遺産にも登録されています。この日、私達は、早めに着いたので、坊康子さんご夫妻に案内してもらい、神社を見学しました。           

天野は、私が今まで回って来た33ヶ所の中で一番私の考えた「理想郷」に近いところでした。なぜかというと天野には、新しく作られた温泉付きの東洋と西洋が融和したホテルがあり、近くには、ゴルフ場もあります。特に日本の大企業・伊藤忠商事大阪本社が、天野と連携して「企業のふるさと」というテーマで、力を入れて日本の里山を守っているからです。

「実は、明日伊藤忠商事大阪本社の社員80名が、天野に来て田植えを行います。」という話を聞いて、私は、社員の皆様にお会いできるのをとても楽しみに思いました。伊藤忠さんは、最も早く中国に進出した日本の企業だと思います。中国の経済成長発展にとって、大変お世話になりましたので、皆様にお目にかかったら、まず、お礼を申し上げたいと思いました。

25日午前中、大型バス2台が、伊藤忠の社員の皆様を乗せて、天野にやって来ました。バスから降りた伊藤忠の20代から30代中心の80名の方々を見て、私は「もしずっとこの方々が、天野に残って村のために仕事をして下されば、日本の里山は絶対しっかり守れる」と、思いました。

本番が始まったら、私も緊張感が高まっていました。なぜかというと、こんな大勢の若い人たちを前にして歌うのは、今まであまりなかったことだからです。ですから、嬉しくて気持ちよく歌えました。

本番後、体育館の後ろの広場で、皆でバーベキューをして食べました。伊藤忠の皆様をはじめ、地元の皆様方ともコミュニケーションがとれてすごく楽しかったです。食事の準備をするために、私の歌を聞けなかった女性軍にリクエストされて、広場でもう一曲「君と何時までも」を歌いました。皆様は、大喜びして下さいました。今日の里山コンサートは、34回目という感じではなくて、なんだか100回を達成した後の大きな打ち上げのような雰囲気になりました。本当に楽しい一日でした。

天野の皆様、そして、伊藤忠の皆様、本当にありがとう!謝々! 崔 宗宝

写真提供:畑 儀温様 田口桂子様 上から 坊様ご夫妻と 開会式 全員集合 旧天野小学校体育館で自己紹介 心を込めて!

楽しいひと時を、ありがとう!

天野の里づくりの会会長  谷口 千明様より

「にほんの里100選」記念コンサートとして、オペラ歌手 崔宗宝さんに天野の里にお越しいただきました。このコンサートは、「企業のふるさと」(伊藤忠商事㈱と天野の里づくりの会による交流&米づくり・保全活動)の5周年を祝福すると共に天野の里の将来に向かっての再スタートを切るためのよい機会になりました。天野の里で34回目ということですが、こんな機会を持てたことは、崔宋宝音楽事務所や後援会の方々のお蔭と感謝しております。

崔宗宝さんは気さくな性格の方で、すぐに溶け込めやすく、前日の夕食を一緒にした時も、天野の里の将来について語り合うことができました。コンサートの時も、約150名の参加者は、美しく澄んだ崔宗宝さんの歌声は勿論のこと、彼と心を一つにして楽しめたと思います。日本の歌あり中国の歌あり世界の歌ありオペラアリアあり、いろんな歌を聴かせていただきました。特に演歌「北国の春」の時はみんなで手拍子を打ちながら盛り上がりました。会場が一つになった感じがしました。

「にほんの里100選」に選ばれた里は過疎化による人口減で悩む所が多いと思います。天野の里も例外ではありません。139年間という歴史ある天野小学校が廃校になったのも、子どもの人数が少なくなったからです。しかし、幸いにも天野の里は日本の里100選に選ばれただけでなく世界遺産の里でも生き物のふるさと(源氏ホタル)でもあります。大阪から車で1時間30分という便利さもあり、最近になって、都会からの移住者や移住希望者が多く、30ないし40歳台の子ども持ちの家族が増えています。また、今年になって民間のホテルもできました。これらの利点を生かして、天野の里の自然や歴史・文化を生かして将来性のある里づくりに励みたいと思います。そのエネルギーを崔宗宝さんのコンサートから得られました。本当にありがとうございました。また天野の里にお越しになる機会があればいいのになあと思っています。

 

伊藤忠商事株式会社 理事 加藤 誠様より

■日本各地を訪れての里山コンサートや東北被災地チャリティーコンサートを精力的に開催してくださっている、崔宗宝さんを迎え、”天野の里 企業ふるさと プロジェクト”5周年に相応しいイベントとなり大変嬉しく思います。語り口から、日本の農村に対する誠意と愛情がにじみ出ていて良い雰囲気を作ってくれました。流石、オペラ歌手と思わせる豊かな声量のバリトンで”フィガロの結婚”を披露してくださり、モーツアルトやヴェルディオペラを彷彿とさせてくれました。日本の歌曲”荒城の月”や流行歌”北国の春”なども崔さんが朗々と歌うと心にじんと沁みこんできました。翻訳歌”千のかぜ”も天野の里に昨年まで参加していた亡き友を想い涙しました。この他、中国、内モンゴルの歌や讃美歌、カンツオーネなど各国の言葉で歌ってくださり、マイクなしで大きいな体育館いっぱいに響き渡る声に魅了されました。歌は世界共通語であることを、歌で皆が一つになることを再認識した楽しい意義ある催しとなり心より感謝申し上げます。

バリトン歌手、崔宗宝さんの歌を天野小学校の体育館で

天野の里づくりの会会員 大谷 茂様より

5月25日(土)の昼間、崔さんの素晴らしいバリトンの歌声を聴くことができました。当日までプログラム内容を知らなかった私にはサプライズで、大いに感激しました。和歌山県の「企業のふるさと」制度第1号として伊藤忠商事㈱、天野の里づくりの会の協働(田植え、蛍のネット貼り、校庭の整備、稲狩り等)を始めてから今年で5周年。その記念コンサートとなった由。

初めてお会いした崔さんのすらりとした長身から出る歌声にすっかり魅了されました。「日本の里百選」に選ばれた里でのコンサートを通して、里の人々と出会い、日本の心に触れたいという思いでコンサートをされているそうですが、天野がその34番目の里になりました。

コンサートの後もバーベキューの昼食をとりながら、伊藤忠商事の新入社員や地元の方、またスタッフと親しく語らう時間を持って下さいました。その時に、食事の準備で歌を聞けなかった女性スタッフのために即興で美声を披露してくれたのですが、その人柄や気持ちが皆に伝播し、会は大いに盛り上がりました。稲狩りでの再会を参加者全員が願いつつ天野の里での素晴らしいひと時はお開きとなりました。

崔さんの歌声が天野の里に!

天野の里づくりの会会員 岡村邦政様より

崔宗宝さんのコンサート、崔さんの歌声が天野の里に、天野の緑に、天野の青い空に響き渡り、参加した人々の心に深く印象に残るひと時でした。今年は、伊藤忠商事と天野の里づくりの会の皆さんとの交流が始まって5年目の節目の年。崔さんの歌声は、伊藤忠商事の皆さんを心から歓迎するものでありました。この3月で長い歴史に幕を閉じた天野小学校の体育館が会場であったことは、天野の里の我々の多くは、懐かしい思い出が蘇り、今後の天野小学校がまた如何にして元気を取り戻すか、思いをめぐらす時間でもありました。

お昼ご飯の準備で会場に来れなかった天野のお母さん方のメンバーに、崔さんが運動場のテントの中で肩を組みながら「荒城の月」を合唱してくれた時の皆の笑顔と歌声は感動的でありました。崔さんの歌声は、天野の里に天野小学校が新しい姿で活き活きと躍動するようにと元気を与えてくれました。崔さんのコンサートで記念すべき1日となりました。ありがとうございました。

伊藤忠商事株式会社から参加された方々より

■天野の里という素晴らしい自然に恵まれた環境で、日本語・中国語・イタリア語・英語の四つの言葉で色々なジャンルの歌を聴くことができ、貴重な楽しい経験となりました。コンサート会場でもありえない程の近い距離で高名な方の生の声を聞くことができ、特にオペラの歌曲はとても力強く最も印象に残りました。良い機会を与えていただき有難うございました。

■劇場で聞くオペラもいいですが、大自然の中で、新鮮な空気を楽しみながらのオペラは格別でした。歌に国境はない、人のつながりにも国境はないと思いました。天野の里との5年目の記念イベントに相応しい、心洗われる力強い歌声に大いに感動しました。

■崔さんの歌声はとても素敵でした。プロで活躍されている方が、ボランティアで、それも一人でMDを操作して歌ってくださっている姿には感動しました。被災地を訪問されたり、色々な方を元気付けている心の綺麗な方が、歴史ある天野小学校の体育館で、この活動の5周年記念に歌ってくださることになった偶然の巡り合わせにも感謝しました。

劇場で、オーケストラの音楽をバックに他の配役の方と共に一つのオペラを作り上げている崔さんのステージも、是非聴いてみたいと思いました。

■自分にとってオペラは初めての経験であったため、非常に新鮮であったと同時に、あのようなフランクで近い距離で接することができたこともあり、非常に身近に感じることができた。また、歌ひとつひとつを丁寧に説明して頂けたこともあって、分かり易く、純粋に楽しむことができた。普段なかなかこういった機会がないので、是非ともまたこのような機会があれば参加させて頂きたいと感じた。

■オペラ鑑賞は私自身初めての経験であったが、「総合芸術」と称されるオペラの“高級で近寄りがたい”イメージは見事に払拭された。日本の楽曲のみならず、国を超え年齢を超えた曲を歌っていただき、オペラの楽しさ、面白さを身を持って体験できた。このような機会を頂いたことに非常に感謝している。

■貴重な経験が出来て、有意義なイベントであった。今までの人生の中でオペラを聞いたことがなかったので、新しい感覚を味わうことができた。更にオペラだけではなく、中国の歌や、はたまた私たちにも馴染み深い日本の歌を目の前で聞け、普段は経験できない歌の影響力を感じることができた。次の曲にうつる前にまず丁寧に説明をしていただいていたのも、私自身を含め、オペラや歌に縁のないひと達にも分かりやすく、楽しめるイベントであった。

■非常に良かった。普段自分で行くことはないので、新鮮で良い体験ができた。通常は大きな会場で公演されているであろう崔さんのような人物の歌声を、間近で聞くことができ、また話すことも出来た。今後もこのようなイベントを経験したい。

■オペラを聞くという経験は初めてであり、その点で非常に印象深かった。また、天野の里という、人工的な社会から離れたところで、かつ温かい方々に囲まれて聞くオペラは、心が透き通るようであった。美しい空気と歌声、非日常の体験ができ、自身にとって最大限のリフレッシュになった。このような感動できるオペラを聞かせて頂き、本当に有難うございました。

写真提供:畑 儀温様 谷口千明様 田口桂子様

伊藤忠商事㈱と天野の里づくりの会による交流5周年記念コンサート(天野での田植え体験会)

天野をご紹介下さり、同行していただいた田口桂子様より

高校の同窓会で、世界遺産の地、天野でのコンサートの力添えをお願いした処、坊康子さんが「天野の里づくりの会」会長の谷口千明さんを紹介して下さいました。谷口さんが中心となり、天野と伊藤忠の方々のご尽力で25日を迎えることができました。コンサートは今年閉校になった小学校の体育館で、日本、中国、世界の歌、オペラアリアありで、歌の素晴らしさを皆様に楽しんで頂きました。その後、白州正子さんの著書「かくれ里」で、「できることならここに隠居したい。桃源郷とは正に こういう所をいうのだろう。」と記された天野の運動場で、晴天の下、手作りのお食事や、バーベキューを楽しく美味しく頂きました。(天野米は、とても美味しいお米です。) 昼ご飯の準備で歌を聴けなかった天野のお母さんの方々の為に、崔さんが運動場で歌を披露したり、「荒城の月」を合唱した時の皆さんの笑顔と歌声は素敵でした。その後、崔さんは初体験の田植えを皆さんと一緒にし、とても嬉しそうでした。振り返れば、沢山の方々の善意に支えられて出来た事でした。ご縁の力と、皆様方のご好意に感謝申し上げます。有難うございました。

 

 

 

 

 

第33回にほんの里100選記念コンサート in 三富新田

第33回2013年5月12日 所沢市下富 横山農園雑木林内

崔宗宝演奏日誌
5月12日(母の日)埼玉県所沢市下富の三富新田で里山コンサートを行いました。三富新田が「里山100選」に選ばれた理由は、江戸時代の開拓地割りを今もそのまま生かして、屋敷・畑・雑木林の順に細長く区画されているからです。農民たちは、雑木林にナラ・エゴ・赤松などを育て、防風林として、また燃料となる薪や、肥料(堆肥)となる落ち葉の供給源としてきました。雑木林は、農民の生活になくてはならないものでした。このような良い循環は、今、世界のどこでも求められているのでは、ないでしょうか?

当日のコンサートは、雑木林の中で開催しました。私の自宅(海老名市)から会場まで、思ったよりも時間がかからなかったので早目に着きました。林の中に車を止めて、1時間位休憩しようと思いましたが、雑木林の中の鳥たちの鳴き声がよく聞こえて、まるで「鳥の交響曲」のような響きでした。林の中の空気もすごく新鮮で、とても良い気持ちになり眠気が飛んでしまった感じでした。

コンサートの第一部は、プロアーティスト集団による即興オーケストラの演奏でした。オーケストラの演奏を聞いていると、300年前にこの地を開拓した開拓民たちの祭りの風景が想像されました。

第二部は、わたしのソロでした。本番は、雑木林の中なので音響の方がどうか心配しました。生で歌うか、マイクを使って歌うか迷いましたが、声を出してみたら、何ととても良い響きとなりました。たぶん雑木林が天然の反射板となったのだろうと思います。

今回もまた良い想い出のコンサートとなりました。

三富新田の皆様 ありがとう!では、今月の25日に和歌山の天野に行って来ます。(崔 宗宝記)

主催の横山農園横山進様 優子様よりのご感想

今回のコンサートに関しては、にほんの里100選の地である「三富新田」は、ご存知の通り、江戸時代の開拓当時、草野原だった場所に、人々が木を植えて、風を防ぎ、水を蓄え、落ち葉を堆肥として畑を肥やし、作物を育て、人が生活できる場所に変える、緑の開発で作られた地域です。

普通、開発というと木を切ることが多いと思いますが、三富の場合は、木を植えることが開発だったという点が、環境問題が叫ばれるようになった現代から見て評価されるべき点だと考えています。
三富の緑は、人々の手によって育まれてきたことで、あのような豊かな環境となっています。
そんな環境を、少しでも次世代へ残していきたいということが私たちの願いです。
今回、コンサートという催しで、普段は三富の林について知らないかたたちも林に足を運び、新緑の環境を肌身で感じて頂ける機会とできたことは、そんな私たちの願いへの理解を広げる効果があったと考えています。
アンケート結果にもありましたが、林がきれいだったと言って下さる声も多く、林の中での崔さんの歌声を十分楽しんで頂けたと思っています。
なお、来場者数は、子どもを含め250人ほどでした。
反省点としては、オーケストラとの共演、バイオリンとのコラボレーション等、盛り沢山のプログラムとして頂いたために、崔さんやオーケストラ等との打合せをもっと綿密にしておかなかった(リハーサルをしていなかった)ことで、結果として、プログラムの予定時間が大幅に変更となってしまった、と考えています。
コンサートの主催に不慣れで、色々とご面倒をおかけしまし、申し訳ありませんでしたが、幸いお天気にも恵まれ、お客様にも喜んで頂けた点は本当に良かったと思っています。
お客様からの感想(アンケート用紙による)

◎オーケストラは普通のものをやってほしかった。バリトンは気持ちよく聞けた。 ◎震災バイオリンもう少し聴きたかった。最後にみんなの間を回ってくれてよかった。バリトンの歌声は林の中にこだまして素晴らしかった。 ◎崔宗宝さんの歌は心がいっぱいになりました。有難うございました。たくさん涙が出てしまいました。サービスいっぱいで楽しい時間が過ごせました。 ◎お人柄最高!素晴らしい演奏。気持ちよいコンサートでした。 ◎大勢の仲間との20年間の環境作りの戦いの結果です。煙との戦いを思い出しました 。快晴の下のコンサート、涙が出ました。瓦礫バイオリンの音も素晴らしく音色に感動しました。 ◎汚染がなくなり良いコンサートでした。林と音楽が一体になった感じでとても良かった。歌声も良く、思いがけずフィガロを生で聞けて良かった。 ◎即興オケは不思議な時間を過ごしました。震災バイオリンは全員がひとつになって良かった。歌声は素晴らしかった。「中国と日本は兄弟」の一言はそのとおりかもしれない。◎若葉香る里山コンサート天に届く様で素晴らしいです。有難うございました。 ◎生のピアノで歌ったらもっともっと素敵だと思う。 ◎崔宗宝のカタリとバリトンの歌声のギャップも最高で聞き入ってしまいました。青空の下さわやかな風を身体に受けながら、鳥肌が立ち、涙が溢れそうでした。マイク無し最高!震災で苦しんでいる人達がいる中で今の自分の恵まれた環境をしみじみありがたいと思いました。 ◎日中友好万歳! ◎ブラボー! ◎最高でした!アヴェ・マリアも聞けてよかった!ありがとうございました。 ◎自然の中での歌声に感動し、室内で聞くのとは違った素晴らしさを実感しました。日中友好のかけ橋として頑張ってほしい。

編集後記

美しい林でのコンサート開催誠に有難うございました。沢山の近隣の方や江戸農法の会の皆様にもお礼申し上げます。この美しい林を維持するのには広大な面積の林の落ち葉掃除や木々の間伐が必要です。毎年冬になると、千人落ち葉掃きといってボランティアの方々が家族連れでお掃除をし、それを堆肥の山にして、畑の肥料としています。林は住宅地と同じ税金の扱いなので、相続の問題などもあり、この農法を維持するのは大変困難な問題があります。それでも地域で協力してこのエコの最先端ともいうべき農法を維持しておられる横山様とそのお仲間に深く敬意を表します。様々な問題が少しずつ解決して、いつまでもトトロの故郷所沢の森と畑を守っていかれますよう心からお祈り申し上げます。(高木ユリ)

写真提供 横山進様 高木ユリ 上から江戸時代開拓の碑 現在も保存されている森と畑様式 震災バイオリンと共演 林の中での熱唱×2 林に座って聞くお客様×2  保存されている江戸農家島田住宅 畑の隣にある元禄年間からのお墓

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