崔宗宝、バリトンの旅
にほんの里100選をめぐる
オペラ歌手 里の歌旅

第42回にほんの里100選記念コンサート in 十津川

第42回 平成26年10月10日(金) 十津川温泉「昴の郷」の野外コンサート会場

十津川村役場観光振興課増谷様よりの感想文

初めて「バリトン歌手(崔 宗宝氏)のコンサート」が行われた。全国の「にほんの里100選」の地を巡るコンサートで、十津川村の場合「果無集落」(はてなし しゅうらく)が,にほんの里100選に選ばれている。

初めて崔さんを見た時、大きいな歌手の方だなと第一印象思った。これだけ大きな体をしているバリトン歌手だから、きっと歌声はすごいだろうなと感じた。実際に崔さんの歌声を聞いて、予想が的中した。 その歌声は、マイクが必要無いのでは、と思う程の豊かな声量で、昴の郷周辺に、やまびこのように崔さんの歌声が返って来て、更に山全体に、その歌声が響きわたり、会場の人を魅了いたしました。

私も、これほどの声量の歌声を聴いたのは初めてでしたので、崔さんの歌声がいつまでも心に響きわたり、美しい山と空気がマッチして、オペラの世界に引き込まれていきました。 参加の多くの方が、生でバリトンの歌声を聞くのは初めてで、貴重な経験をさせていただきました。いつまでも、いつまでも聞いていたいと思ったのは私だけでは無いと思います。

このようなコンサートを開催していただきました崔さん、そしてお世話していただきました、関係者の方々に感謝申しあげます。有難うございました。また是非、崔さんの歌声を聞いてみたいと思っています。

                                 十津川村 観光振興課 増谷

十津川村日帰り100選コンサート同行レポート 崔宗宝後援会榎本えみ様  

 羽田始発便にて、1時間ちょっとで南紀白浜空港へ。お迎えのお車で2時間、道中1度休憩をして会場入り口の坂道を登り、桑畑果無の世界遺産の眺望と世界遺産の碑。この十津川村は世界遺産の地でもあります。奈良だなぁとしみじみ想いほほを撫でる風に万葉の昔の香りを感じたものです。

 崔さんへの感想は、担当の増谷課長の表現でお分かりだと思うので割愛いたします。日帰りのコンサートに漕ぎ着けた経緯をご紹介いたします。

 榎本から友人に100選の地、御存じありませんか~とお尋ねしたら、友人の尾川さん→尾川さんの仲人様→奈良在住の仲人様の弟様渡辺様→十津川村重里の深瀬のばあちゃん→娘の眞理子さん→観光協会の増谷様 と、こんなに多くの方々の時間とお手間、人の縁のかさなりの中実現に至りました。(かさなりの中という表現は渡辺様の文章よりいただきました。素敵な言葉ですね)言葉では表せない感謝の気持ちでいっぱいです。

 コンサート前には、渡辺様が地元の新聞にて宣伝してくださいました。コンサートは地元のお祭りの一環に入れていただきましたので、話があってからとんとん拍子で予定がきまりました。立役者(増谷課長の表現)の眞理子さんには当日はじめてお目にかかり、地元のお土産をどっさりお持ちくださり、丁度その土地周辺での仕事を切り上げて応援に駆け付けてくださった高橋後援会会長一行3人と、東京から奈良に移り住んでいらっしゃる崔さんの応援団である山本様ご夫妻が2時間かけて駆けつけてくださり、崔さんは振る舞い汁やらアユの塩焼きやらロースト猪肉やら、沢山頂き、歌う前から山に囲まれた素晴らしい会場に溶け込んでいました。崔さんのそのような様子はなんとも周りの私達にまで幸せを感じさせてくれました。

 眞理子さんの袋一杯のお土産は、みんなで分けて頂いて帰りました。クラシックに造詣の深い眞理子さんからは、後日電話した折、『崔さんの歌はちゃんとしたホールで歌わせたい。本当なら100回目のコンサートをここ十津川でやったらよかった』とのお言葉をいただきました。眞理子さん、暖かい視点をありがとうございました。

 現地滞在4時間半、同じコースを送迎係の辻井さんの運転でお送りいただきました。用意して頂いた立派なお弁当は空港の待合室で缶ビールで乾杯してお疲れ様会していただきました。無事に羽田に戻り一安心。3日後の13日は王子ホールにてコンサートでした。中身の濃い日帰りコンサートでした。 いつもながら感謝の念ばかりの一日でした。  謝謝 (崔宗宝後援会榎本えみ様)

第41回にほんの里100選記念コンサート in 加計呂麻島



第41回 平成26年9月25日26日 

瀬戸内町立伊子茂小学校、薩川中学校、諸鈍小中学校 各体育館

崔宗宝演奏日誌

この間鹿児島県の加計呂麻島で里山コンサートを行いました。羽田から鹿児島空港まで、そして乗り換え、小さい飛行機に乗り、奄美空港で降り、役所の担当の方重村様が迎えに来てくれて、車でさらに150分乗って、古仁屋港に着いたら、また海上タクシーで10分運行して、やっと加計呂麻島に到着しました。前日は秋田県に行ったので、いきなり東北から九州まで移動して、天気の温度だけで別世界を感じました。秋田の八森は22度の気温で、加計呂麻島に来たら、32度に上がりました。とにかく暑い!暑さに弱い私にとっては、とても大変でした。

加計呂麻島は海と山の世界でした。目に入ったのは山・トンネル・海・山。。。畑がほとんどなかった。島人は加計呂麻の塩や魚介類の養殖などで生計を立てています。コンサートを行った場所は島内の小学校でした。とても立派な小学校でしたが、生徒全員(1年生から6年生まで)で7名でした。先生も7名で、ほぼ1対1のような学校でした。

生徒に対して1対1の授業は贅沢な勉強だと思われますが、子供の数が少ない事に淋しさも感じます。遊びの相手も少ないから、生徒達の成長のために決して良くない事もあります。コンサートは学校の体育館で行われました。生徒達の親達や近所の年配の方々が来てくれて、40名ほどの来場者となりました。体育館には冷房がないので、外気温32度の中、館内はもっと暑かったと思います。歌を聞いた生徒達はとても興奮して、色々な質問をしました。将来生徒達みんなが大人になって、幼い時中国のバリトン歌手の歌を聴いた事があるという記憶が残れば、何よりも嬉しいです。

夜泊まった宿は、海のそばにあって、凄く気持が良く疲れも飛んでいました。そして、教頭先生と奥様が二人の男の子を連れて、宿に来ました。二人の息子は島唄を歌ってくれました。とても上手でした。日本の里山の音楽を歌い続ける事はとても大事だと感じました。次は奈良県十津川です。  崔宗宝                                                                                                     写真 伊子茂小学校

諸鈍小学校の生徒さんからの感想文  

崔宗宝さんへ

☆前はお忙しい中、諸鈍小中学校に来て下さり、有り難うございました。私は本物のバリトン歌手に会うのは、初めてだったので、とてもいい体験になりました。また、「千の風になって」などの私が知っている歌もあったので、少し驚きました。最後に歌った曲も、私が大好きな歌だったので、うれしかったです。それから、崔宗宝さんの声も印象に残りました。私達が歌う時の声と違って、のどから声を出すのではなく、お腹から声をだしているような独特なものでした。 私もいつか崔宗宝さんのように、素晴

らしい歌声でみんなに感動してもらえるような人になりたいです。(小5 K.Yさん)

☆ お忙しい中私達の為に歌いに来て下さり、ありがとうございます。ありがとうございます。一番びっくりしたことは、きれいな声だったことです。特に「千の風」という歌を歌ってくれた時が、一番感動しました。また「ざわわ」という歌を歌ってくれている時、アカペラだったけど、すごくきれいな声だったので、アカペラとあまり感じなかったです。大きな声で体育館全体に響き渡っていたので、びっくりしました。また崔宗宝の歌を聞きたいので、機会があれば、来て下さい。本当にありがとうございました。

(小5  Y.N.さん)

☆ お忙しい中、私達の為に来て下さってありがとうございます。とても大きな声だったので、びっくりしました。知っている曲は二曲くらいしかありませんでした。後オペラを初めて聞いた時、こういうのなんだあーと思いました。宗宝さんは声がとても大きくて、きれいな歌声でした。また日本語がとてもじょうずだなあと思いました。また中国の歌が聞けたので感激しました。また諸鈍小中学校に来れたら、来て下さい。この前は本当に有り難うございました。(小6Y.M君)

☆ニーハオ!さいさんお元気ですか?私達は元気です。昼休みには「おうちょんさい」へ向けてのエイサーの練習をしています。さいさんの歌声にびっくりしました。10月2日に「大ちょんさい」があるので、時間があれば来て下さい。またさいさんが来たら、昼休みに遊びたいです。会える日を楽しみにしています。(小3 Y.O.さん)

☆ニーハオ!この前の歌はブラボーでした。またさいそうほうさんの歌を聴きたいと思ってます。また時間があれば歌って下さい。(小3Yさん)

☆こんさあとでは、うたがうまかった。こえもすごかったです。ありがとうございました。またきてください。(小1K.K.君)

☆こんさあとではぶらぼおでした。さいごのうたはいちばんおもしろかったです。ありがとうございました。(小1T.Oさん)

☆せんのかぜをうたってくれてありがとうございます。あんなにすごいひとははじめてです。またきてください。こんどのこんさあとをたのしみにしときます。ぶらぼおでした。すっごかったです。さいごのうたがすっごくたのしかったです。(小1K.I君)

☆こんさあとでは、いろいろなうたをうたってくれてありがとうございました。とてもすごかったです。いろいろなきょくがすごかったです。またきてくださいね。そうしているとべんきょうがすすみました。ありがとうございました。またあのきょくをききたいです。またあいましょうね。(小1M.Oさん)              写真 薩川小中学校


☆わたしがしっているうたもうたってもらえてうれしかったです。わたしがしっているうたは、せんのかぜになってです。とてもすごかったです。(小2A.Kさん)*素敵な崔さんの歌っている所の絵が付いてます。

☆こないだはありがとうございます。わたしはさいごのフニクリフニクラがしっていて、びっくりしました。またこの諸鈍小学校にきてください。こんどはいっしょにいっぱいあそんでください。それでわたしの大好きなばしょにいきましょうね。(小2   M.Y.さん)

 

☆ぼくはサイソウホウさんと会えてとてもうれしかったです。ぼくはまたサイソウホウさん

に会いたいです。サイソウホウさんのあのこえにかんどうしました。ぼくはサイソウホウさんをほこりに思っています。また会いましょう。またぼくたちの前ですばらしいうたをきかせてください。一番すごいと思ったのは「鐘がなります」でした。ありがとうございました。(小2R.T君)


諸鈍中学校の生徒の皆さんからの感想文                                               諸鈍小中学校

☆今回初めてプロの歌手の歌声を聴く事が出来、とても感動しました。いつも僕が聞いているような音楽のジャンルではなく、全く違うオペラなどの歌を聞き、興味を持ちました。また、日本の歌だけでなく、外国の歌についても良く知る事ができました。(中3K.H君)☆今回初めて、生のバリトン歌手の歌を聴く事が出来、とても感激しました。大迫力で勇気・元気をいただきました。日本・中国・世界の歌・オペラ心にしみる歌声でした。ありがとうございました。謝謝(中3T.H君)

☆崔宗宝の歌を聴いて、心にジーンときました。「千の風になって」は知っている曲だったので、すごい印象に残っています。体育館に歌声が響いていて、格好よかったです、最後のオペラの聴いた事のあった曲だったし、手拍子などをして楽しかったです。学習発表会ももうすぐあるので、みんなに元気を与えれるようがんばります。また諸鈍に来て下さい。謝謝 (中3M.Mさん)

☆初めてバリトン歌手が歌う歌を聴いてすごく声が大きくて、迫力がありました。また初めて中国の歌を聴く事ができてので良かったです。日本の「千の風になって」や「ざわわ」や、戦後の時に歌われた曲も聴く事ができたのでよかったです。最後のオペラの曲も楽しそうな曲でした。(中3A.Iさん)

☆バリトン歌手の崔宗宝さんの歌を歌ってるときの声を聞いてすごいと思いました。マイクなしだけど、声がよくとおっていてひびいていたので、やっぱり歌手はすごいなと思いました。また聞きたいです。(中2 H.Sさん)                                                     写真 諸鈍小中学校

☆僕はあの公演を聴いて、深く感銘を受けました。体育館内に響き渡る声はとても印象に残りました。

僕はオペラやクラシックの類が好きなので、本当に良かったです。謝謝!!(中2R.I君)

☆初めてオペラを聴きました。すごく感動しました。声がとても心に響きました。また聴きたいです。中国の歌は、私には意味が分かりませんでしたが、メロディーがすばらしかったです。ありがとうございました。謝謝(中2T.J.S君)

☆今日の公演を聴いて、とりはだが経つような力強い声でした。体育館に響き渡る迫力のある歌声でした。わざわざ遠い所まで来て下さり、ありがとうございました。あーやって、聴いたのは初めてだったのでいい経験になりました。(中2R.E.君)

追記

 

9月22日23日24日秋田県でコンサートをした後、夜遅く羽田空
港に宿泊し、25日早朝の飛行機で鹿児島県奄美大島に飛びました。温度差は演奏日誌にある通り厳しいものでした。それでも元気に瀬戸内町立伊子茂小学校、薩川中学校、諸鈍小中学校の各体育館でコンサートをしま

した。同じ加計呂麻島にあるのですが、それぞれの学校は離れていますので、今回全てのお世話をして下さった瀬戸内町教育委員会社会教育の重村様に、車でご案内いただきました。薩川地区は生徒さんだけでなく、夜住民の方や父兄の方々も一緒に聴いて下さいました。写真の通りの皆さんの暖かなお迎えと、生徒さん達の明るい反応に旅の疲れも取れ、楽しい時を過ごしました。お世話になりました皆々様本当に有り難うございました。生徒さん達が言っているように、またチャンスがありましたら、是非呼んで下さい。お会い出来るのを楽しみにしています。また教頭先生の息子さんがわざわざ宿にいらして、島唄を歌って下さった事は今後の参考にもなると思いました。宮城県の江島でも島唄とそれに合わせた踊りを踊って下さいました。今後状況が許せば、地元の歌や踊りなども拝見したいと思います。里の文化を長く伝え、広く伝えるお役に立てたら、嬉しいと思います。(高木ユリ記)

写真提供:瀬戸内町教育委員会重村一人様

第40回にほんの里100選記念コンサート in 阿仁根子


第40回 平成26年9月23日 秋田県北秋田市阿仁「二又荘」

阿仁根子について

世界遺産となった白神山地の中のブナ林、渓谷に囲まれた阿仁は猟師のマタギの里として

 

 

有名です。動物文学の第一人者の作家戸川幸夫さんの「マタギ~狩人の記録~」で知られるようになった阿仁

でのコンサートは、今回地元でお世話になった「阿仁の森ぶなホテル」の経営者山田康博さんが古民家体験の場として経営するレストラン「二又荘」で行われました。熊や狩の道具、古い屏風などの飾ってある昔の奥座敷の雰囲気の中で、崔宗宝の歌が始まりました。身長188センチの崔宗宝は古民家の鴨居よりずっと背が高く頭を下げてくぐりました。集まって下さった方々は段々盛り上がってくるコンサート内容にすっかり乗って、笑顔で聞いてくださいました。

解説引用:マタギとは東北地方北海道で古い方法を用いて集団で狩猟を行う者を指す。「狩猟を専業とする」ことがその定義とされる[1]獲物は主に

の他に、アオシシカモシカ(後述)、

ニホンザルウサギなども獲物とした。古くは山立(やまだち)と呼ばれており、特に秋田県の阿仁マタギが有名である。その歴史は平安時代

にまで遡るが、他の猟師には類を見ない独特の宗教観や生命倫理を尊んだという点において、近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なることに注意する必要がある。森林の減少やカモシカの禁猟化により、本来的なマタギ猟を行う者は減少している。近世に入ってからは、狩猟を専業とするもの、つまりマタギはごく一部の人間に限られている。

同行記:  崔宗宝後援会 加藤様

 

交渉から準備終了まで色々ありましたが、最後に地元の子供たちや地域の方々の笑顔と喜んで下さる姿、それに里山の素晴らしい景色にとても癒され感動しました。また崔先生の素晴らしい歌声と人柄が、里山とマッチして素晴らしいコンサートでした。担当させていただき感謝いたします。ありがとうございました。 (崔宗宝講演会会員 加藤様)

 

追記:

2013年度から後援会新会長をお引き受けいただいた高橋玉樹様とそのお仲間達の大活躍で、秋田県の八森・阿仁根子での100選コンサートが実現しました。森と川と谷の里山に立つ阿仁の森ぶなホテルのオーナー山田様の八面六臂のご活躍と、後援会

担当者加藤様のお世話で素晴らしいコンサートが出来ました。マタギや熊の展示の多い古民家レストラン二又荘に50人ほど集まった住民の方々崔さんの背の高さにびっくり!崔さんの歌は、写真にもあるようにお客様にとても喜んで頂けました。

コンサート前後に散歩した森は爽やかで美しく、どこまでも続く緑が、そのまま心身を健康にしてくれている感じで、非常に気持が晴れました。このコンサートの様子は山田様がDVDにまとめて下さいました。本当にお世話になり、ありがとうございました。また毎回美しい写真を撮影して下さる高橋玉樹様心から感謝申し上げます。もっと沢山載せられないのが残念です。(高木ユリ記)

(写真提供:高橋玉樹様)

第39回にほんの里100選記念コンサート in 八森



第39回 平成26年9月22日 秋田県山本郡八峰町八森小学校体育館

崔宗宝 演奏日誌

里山コンサート第39回、 第40回は、9月22日と23日に秋田県の八森小学校と阿仁根子の古民家「二又荘」で行いました。

東京駅6時32分発の新幹線に乗り遅れたので、盛岡駅までずっと立ち席でした。なぜかと言うと、次の7時30分での新幹線でも時間的には大丈夫でしたが、全部指定席で座ることが出来ないので諦めました。3時間ほど立っていたのですが、車窓からの美しい景色を見ていたので、疲れを感じませんでした。特に秋田県に入ると、成熟期ピークを迎えた稲田はすごくきれいでした。秋田駅に11時30分頃着きました。迎えに来て下さったのは、八森小学校の校長先生でした。学校まで1時間30分かかるので、車の中で先生と色々お話しました。

「秋田名物八森ハタハタ」と民謡「秋田音頭」で歌い継がれている通り、秋田特産のハタハタ漁で栄えて来た漁業の里八森(八峰)。1970年代半ばから不漁続きとなったそうです。八森を中心に秋田漁師達は伝統漁存亡の危機感で一致団結し、前例のない資源保護のための3年間にわたる一斉禁漁を決め守ったそうです。その結果八森の海にハタハタがまた戻って来てくれたのです。「にほんの里100選」に選ばれたのは、「命のゆりかご里海と里山を守る人々の営み」が高く評価されたからです。

コンサートは14:00から始め、130名の生徒さんプラス30名近くの地域の方を加えて、総勢160名で体育館の3分の2が埋まりました。最後のアンコールはイタリアンカンツオーネ”フニクリフニクラ”を歌い、皆さんの手拍子で一気に盛り上がりました。

今回の秋田の里山コンサートは講演会会長高橋さんと会員の加藤さんに大変お世話になりまして、心から感謝します。            崔 宗 宝

八森小学校 菊池信和校長先生からのお便り

コンサートの感想文の送付について

過日はとても素晴らしい歌声をありがとうございました。
短い間ではありましたが子どもだちにプロの歌声を堪能したようです。それは写真にも感想文にも現れていました。本当に貴重な体験をさせていただきました。心から感謝申し上げます。

さて、子どもたちから感想を綴ってもらったものをお送りいたします。崔宗宝さんへの感謝の気持が届けばさいわいです。どうかよろしくお願いいたします。感想文は各学年3名です。八森小学校 菊池信和

生徒さんからの感想文

さいそうほうさんへ

☆ぴあのをひきながらきれいなこえでうたっていたので、すごかったです。がくしゅうはっぴょうかいにむけて、わたしもきれいなこえでがんばります。(1年 K.Y.さん)

☆うたがじょうずでこえもおおきくて「すごいなあ」とおもいました。にほんのうたもすごくじょうずでした。ぴあのをひきながらうたっているのが、かっこいいとおもいました。またらいねんもきてください。(1年 H.N.さん)

☆こんさあとではこえがおおきくてうたがじょうずで、びっくりしました。
にほんのうたをうたってくれて、たのしかったです。またきてください。(1年 K.O.さん)

☆すごくこえが高くてふつうの人には出せないこえだとおもいました。ぼくもあんなこえでうたってみたいです。またきかせてください。(2 年 S.T.君)

☆ピアノをひきながらじょうずにうたっていて、すごいなあと思いました。しつもんにこたえてくれてありがとうございます。(2年 R.S.君) 

☆すてきなこえで、ききやすかったです。またきてください。(2年 M.S.さん)

☆わたしは、崔宗宝さんの歌声を聞いて、すごく声がでかくて、びっくりしていたけど、「体が楽器」ときいて、体をがっきにすれば、「あんなに声が出るんだ」と思いました。わたしもこんどから体をがっきにして、歌を歌いたいなと思いました。(3年 R.K.さん)

☆22日の月曜日の歌声はとてもきれいでした。わたしはあんまり高い声を出すのがにがてなので、崔宗宝さんはすごいなあと思いました。あんなにたくさんの歌を歌ってくれて、ありがとうございました。

(3年 S.K.さん)

☆このまえは歌をうたってくださってありがとうございます。しつ問タイムでは、いろいろなことを教えてくれてありがとうございました。わたしは学習発表会で体が楽器になるようにうたいたいです。崔宗宝さんの歌声がきれいですごかったです。またきてください。(4年 Y.M.さん)

☆この前は来てくださりありがとうございました。歌ってもらった時、とても大きな声でびっくりしました。わたしは、はじめて体はぜんぶがっきということがわかりました。、だしてみたいです。(4年 N.O.さん)

☆崔宗宝さん、この前はすばらしい歌声を聞かせていただきありがとうございました。中国の歌もとてもきれいでした。日本の歌も歌っていただいてうれしかったです。八森のけしきはどうでしたか?気に入っていただければうれしいです。わたしたちは学習発表会があるので、せいいっぱいがんばります。崔宗宝さんは次のコンサートへ向けてがんばって下さい。(4年 A.K.さん)

☆お元気ですか。この前は歌をうたってくれてありがとうございます。とてもちからのある大きな声で聞きやすかったし、びっくりしました。わたしもさいそうほうさんのような大きな声を出したいです。またきかいがあったら、聞きたいです。(4年 M.K.さん)

☆今日のコンサートでまずびっくりしたのは、日本中で100しかない「にほんの里」が八森だったというのがびっくりしました。そしてサイさんの歌もすごく上手だったし、ふるさとも、しっかり自分のパートを歌うことができてよかったです。一番上手いと思った曲は「こうじょうの月」という曲です。しかもピアノをひきながら歌を歌っているところがすごいと思いました。ぼくだったら、ピアノでせいいっぱいだと思います。ありがとうございました。(5 年 K.君)

☆私がびっっくりしたのは、ピアノをひきながら歌を歌うことです。1年の質問にありましたが、「歌いながらピアノをひくとき、どうして止まらないでひけるんですか?」で、私もなんでだろうと思いました。学習発表会に歌う「ふるさと」をさいさんみたいに歌いたいです。(5年 R.さん)

☆日本の里記念コンサートの歌やオペラを聞いて、すごくピアノも上手で歌声もきれいでした。ピアノをひきながら歌えるのがすごかったです。こういう機会がないので、聞けてよかったです。また八森にきてください。(5年 K.さん)

☆サイさんの歌声は、とってもきれいでびっくりしました。そしてふるさとを歌う時ピアノをひいてくれてありがとうございました。サイさんの最初の歌が、ぼくは一番いい歌だなあと、思いました。それに背も高くて、びっくりしました。これからも、体に気をつけて歌をがんばってください。(6年 I.A.君)

☆私は崔宗宝さんの歌を聞いて、一人でもあんなに大きくて、きれいな声を出せるのがすごいと思いました。あと全国をまわって私たちのために無料でコンサートを開いていると聞いて、やさしい人だなあと思いました。私も学習発表会に向けて、腹から声を出して歌おうと思いました。崔宗宝さん、わざわざ八森に来てコンサートを開いてくれてありがとうございました。(6年 H.K.さん)

☆ぼくは崔さんの歌を聞いて最初は変だなと思っていたけど、途中からすごいなと思いました。とくに最後の歌が印象に残りました。崔さんの歌声はすごくきれいでびっくりしました。あと日本語を話せていたので、あんき力がたかいなと思いました。これからも体に気をつけてがんばってください。(6年 G.K.君)

追記

3月に宮城県女川町江島に行ってから久しぶりの記念コンサートでした。今回から昨年度より崔宗宝後援会の新会長になられた高橋様とそのお仲間が手分けして100選地元に開催依頼の交渉をして下さり、次々と開催決定を取得して下さいました。お仲間皆さんで写真係り、交渉係り、崔宗宝先生係りその他などと手分けして楽しくコンサートを実行してくれました。本当にありがとうございました。また八森小学校の校長先生初め、職員の皆様、感想を寄せて下さった生徒の皆さん、本当にありがとうございました。ここから列車で秋田白神を通り、次の予定地阿仁へ向けて出発し、途中で八森名物はたはたや海の幸を御馳走になりました。本当に皆様有り難うございました。(高木ユリ記)

写真提供:高橋玉樹様

 

第38回にほんの里100選記念コンサートin 江島

第38回 平成26年3月12日宮城県女川町江島集会所(旧医療センター)

崔宗宝演奏日誌                      

里山コンサート第38回は、宮城県の江島へ行きました。

3年前大地震と津波の被害で、島の方々は1年間離島し避難しなければなりませんでした。

現在、島には大震災以前にいた全住民の半分位帰って来て暮らしていらっしゃるそうです。

今回は、3月11日大震災の3周年に合わせ、宮城県の仙台市でコンサートを開催しました。私と「崔宗宝東日本大震災支援奨学基金」受領者であるソプラノ・佐藤千里・根本真澄、ヴァイオリン・西村萌玖夢、ピアノ・江本桂子・千釜有美子の5人で行いました。                      

プログラムの最後に「花は咲く」を常盤木学園高等学校音楽科の生徒さん達と一緒に歌うつもりでしたが、生徒さん達の歌があまり上手くて、皆で一緒に歌うともったいないなと思い、ゲストとしてコンサートの第一部の最後に歌ってもらいました。

2時46分になり、3年前亡くなられた方々のために皆で黙とうを捧げました。コンサートの最中に黙とうをするということは、私にとって初めての体験でした。3・11のような大震災が二度と起きないよう心から祈りました。

コンサート終演後、明日江島に行くために、早速女川町に向かって出発しました。夕食は、女川港でとれた海の幸が一杯、全部美味しかったです。

12日の朝、10:30船で、江島に向けて出発しました。

目の前の海は穏やかで、この海水が津波となって今見えている半島を襲ったのかと思うと自然の力のすごさを改めて思いました。

コンサート会場は、島の集会場でした。途中歩いている時、一匹の小さい猫が、私の前に歩いて来て、キチンと前足を揃えて座り、悲しそうな目で私を見上げました。普通は、人が来たら、猫は逃げていくでしょう。でも、この猫は、鳴き声で、ニャン・ニャン「お願いします。助けて下さい。」と、しゃべっているではありませんか・・・・。驚いたことに、次々と猫達が現れ同じようにきちんと座り私を悲しそうな目で見上げたのです。

3年前まで、漁師達が海で捕った魚を沢山猫達にやっていたと想像できます。今、猫達はきっとお腹をすかせているのでしょう。

現在、島には飲み水もなく、自動販売機もなく、お店も一軒もなく、15世帯20人しかいないのが現実です。

島長さんのお話によると「何年か後には、この島は無人島になるでしょう。」ということでした。

この江島は、急斜面に民家が密集し、迷路のような歩道が巡り、ホタテ・ウニ・アワビなど豊かな漁業資源を支えに島民が結束して生活していることから「にほんの里山100選」に選ばれました。でも、現在は全くその風景が見られなくなってしまいました。悲しい・・・!

ただ、嬉しかったことは、、ほぼ全世帯の16人の方がコンサートに来て下さったことです。来て下さった皆様は、生まれて初めてオペラ歌手の生の歌声を身近で聞くので、初めは少し緊張なさって肩が凝っているような感じでした。顔の表情も硬くて少し心配しましたが、途中から皆様は、どんどん盛り上がり、笑顔も少しずつ出るようになりました。

コンサート終演後、お二人のおばあ様が「3年ぶりに心から笑いました。楽しかった。来てくれてありがとう!」と言って下さいました。この言葉を頂けたことは、私にとって何よりも嬉しいことでした。

私のわずかな力で、癒されたと感じて頂けた方がいて下さり、本当に嬉しかったですし、これで少し日本の皆様にご恩返しできたなと実感しました。

次回の里山コンサートは、11月8日沖縄となります。今から、楽しみにしております。

崔 宗宝

江島島長木村二三次様より高木宛のお手紙

時下櫻花舞う今日此頃、彼女様には毎日お忙しい日々を過ごして居られるご様子ご苦労様です。扨て先日はお手紙を拝見いたしまして早速お返事申し上げるところでございましたが、今日まで遅れました事をお許し願います。遠い小さな島までお出で頂き、崔宗宝先生の素晴らしい歌声に、集まって下さった島の方たちも大変に喜んで居ります。三年過ぎても震災で傷ついた心を始めて島の心を癒して頂く事ができました。

あの崔先生の高音などについて妻と共にいまだに話題に出てくる事がございます。只、会場があのような処ですので、本当に申し訳なく思っております。崔先生のアメイジンググレイスの曲が大好きです。中国と日本の架け橋になれたら幸いと思います。尚、今後集会所ができた時にはもう一度あの素晴らしい声を聞きたいものです。最後に先生のいっそうのご活躍をお祈りいたして居ります。先ずは乱筆乍ら失礼させて頂きます。草々

追悼の旅

2014年3月11日仙台の常盤木学園シュトラウスホールでの無料大震災追悼コンサートの後、女川町に移動し、翌朝船で江島に渡りました。船中別の島に帰るおばあちゃんに対して、今回お世話くださった社会福祉協議会復興センターの武石様は優しく話しかけ、震災時の避難から始まるお話を聞いていました。宮古市での被災地コンサートでもそうでしたが、社会福祉協議会の職員の皆様のご奮闘、優しさに感激いたしました。

島ではたった36所帯、それもお年寄りばかりのほとんどが集会所に集まって下さり、楽しい時を過ごしました。はじめ少し硬い表情だった皆様も、崔さんのトークと、圧倒的な声に次第に打ち解け、91歳のおじいちゃままも足でリズムを取って、楽しんで下さいました。最後に「どうしてそんなにおぽきな声がでるのか?」とか「どうしたらカラオケで大きな声でうたえるのか?」とか、質問が沢山出て、崔さんも一生懸命答えていました。お帰りになる時、3人くらいの方が、「この3年心から笑うことがなかったが、今日は思い切り、笑ったり、泣いたり出来た。良かった。」と言ってくださいました。少しでも喜んでいただけて、本当に良かったと思います。

帰りは港までみなさん送ってくださり、現在のウニ漁やあわび漁がダイバーの方々の助けを得て、続けられていることや年間の収入の事、船員年金のこと、新しく共同購入した船などについて教えてもらいました。細々でも震災以前の生活が再開されてていることをとてもうれしく思いました。最後はいつまでも手を振って「さようなら、又来てね!」「さようなら、ありがとう!」とお別れしました。いつも里の方々と別れる時は胸にジーンと来てしまい、昔からの親戚のように、別れを惜しみます。武石様、島長の木村様はじめ皆様本当にお世話になりました。ありがとうございました。集会所が出来たらまたお邪魔しますね。(高木ユリ記)

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