崔宗宝、バリトンの旅
にほんの里100選をめぐる
オペラ歌手 里の歌旅

演奏日誌　　　　　　　　　　　崔宗宝
　久しぶりに自分の車で長野県の遠山郷に行きました。第
52回里山100選コンサートは遠山郷

で開催しました。最初は電車で行こうと思いましたが、翌日軽井沢大賀ホールの打ち合わせがあり、車のほうが便利だと思い、車で行く事にしました、ドライブが好きな私にとっては長距離の運転も一つの楽しみです。朝出発が早いので、途中一回休憩して（15分）コンサートの途中休憩みたいな感じでした。
　高速から降りてしばらく走ったら、山下の奥に入って道路はかなり狭くなり、どきどきで運転しました。とても刺激的なドライブでした。出発時間が早かったので、学校に11時頃着いて、学校の校長先生に挨拶してからすぐ、街の中の食事処で鹿肉のステーキ定食を食べまた、はじめて鹿肉を食べるので、どんな味かなと心配しながら食べたら、とても美味しかったです。遠山郷 の山の中には熊や猿や鹿など沢山の動物達が住んでいて、住民の方々は動物達と共生して暮らしています。そして二等分芋やアワ、ヒエ等沢山特産品もあります。こんなに自給自足ののんびりした生活はとても良いなと思いました。
当日のコンサートは平日ですので、里の方々があまり来てなかったですが、生徒と先生達を合わせて、120名が体育館に集りました。体育館にグランドピアノがあったので、ほとんど弾き語りしました。一時間あっ！と言う間に終わった感じでした。
　毎回々こども達の笑顔を見て歌うのは、本当に嬉しいです。このこども達が将来社会人になった時、小さい時に聞いたクラシック音楽が少しでも役に立てば嬉しいなと思います。
　来月の8日と9日は第53回と54回の里山コンサートの予定が入っているので、自分ののどと体調をしっかり管理して、雨ニモマケズ、暑さニモマケズ 頑張りたいと思います。
では また。　　　　　　　　　　　崔宗宝

◆コンサート翌日（５月20日）の朝日新聞に記事が載りました。「遠山郷の中学校に響くバリトン　中国人オペラ歌手、小中学生前に熱唱」という大きな見出しが付いていました。飯田支局長の山田雄一記者が取材に来て、すぐに記事にしてくれたものです。記事全文を紹介させていただきます。

▽朝日新聞長野版（５月20日）記事より：

遠山郷の中学校に響くバリトン　中国人オペラ歌手、小中学生前に熱唱

　南アルプス直下の飯田市立遠山中学校体育館で１９日、「にほんの里１００選」コンサートが開かれ、中国人オペラ歌手の崔宗宝（さいそうほう）さん（５６）が迫力満点のバリトンで熱唱。地元の小中学生たちを魅了した。
　「１００選」は、健やかな里を未来に残そうと、２００９年に朝日新聞社と森林文化協会が選定した。１９９２年に来日し、東京芸大大学院を修了した神奈川県在住の崔さんが趣旨に賛同し、１００カ所巡回の無償コンサートを申し出た。
　５２回目のこの日は「上村・下栗の里」にちなんだ開催。遠山郷と呼ばれる旧上村と旧南信濃村は現在、遠山中学校の１学区となっている。上村小、和田小とあわせた３校連携活動の一環として計９３人が参加した。
　崔さんは「荒城の月」、中国の「牧歌」やオペラ「フィガロの結婚」など１１曲を歌い上げ、流暢（りゅうちょう）な日本語で「いろいろな歌に親しんでほしい」と呼びかけた。和田小６年のＩ．Ｍ君は「本物の歌手の歌を聴いたのは初めて。マイクなしなのに、すごい声でびっくりしました」と圧倒された様子だった。（山田雄一）
＝以上、朝日新聞長野版記事。

編集後記
　当初上村小学校の熊谷教頭先生からご連絡いただき、三校の協議会を経て、開催が決まりました。準備を熊谷先生との間で進めましたが、今年4月転勤されましたので、和田小学校の田中教頭先生が引き続きお世話下さいました。事前の準備とともに、当日のお忙しい中で三校合同のコンサート開催の労をとって頂きました。お二人には心から感謝申し上げます。生徒さんにとても楽しんでいただき、人生初めての美味しい鹿肉ステーキもいただいて、崔宗宝にとって遠山郷の素晴らしい思い出になりました。皆さん本当にありがとうございました！　　（里山担当・高木ユリ）

第51選　平成28年3月27日　静岡県川根本町文化会館ホール

演奏日誌　　　　　　　　　　　崔宗宝
里山コンサート第51回今日静岡県の川根本町で開催されました、今回は地元のソプラノ松下みどりさんの参加のお陰で大成功になりました。静岡県はお茶の名産地で東名高速を走るとき、お茶畑が時々目に入りますが、今日川根本町に来るのは初めてで、静岡県の奥の奥に来ました。朝7時海老名駅から小田急線に乗って、小田原駅で新幹線を乗り換えて、島田市に着いたら、友人のお姉さんが車で迎えに来てくださり、1時間30分かかって、ようやく川根本町にたどり着きました。途中山桜が少し咲いていて、そして、お茶畑が点在して、とても素晴らしい風景で感動しました。川根本町の文化会館の前に着くとさらに驚きました。なんと本当に立派な建物でした。中のホールに入って、音合わせして、また驚きました。綺麗な会場でそのホールの響きが東京の浜離宮朝日ホールにも負けないほど素晴らしいホールでした。良いホールで歌えば歌うほど歌いたくなります。実は私が２日後、CDの録音がありますので、もし響かないホールだったら、喉が疲れてしまい大変な事になります。本当に運が良かったなと思いました。来場した皆さんにトークでまた川根本町の文化会館で歌いたいので、ぜひ 来年も呼んでくださいねと言いました。そして、私が年を取ったら、川根本町に移住したいなと思いました。私はもっとも感動したのは、コンサートの最後、地元のソプラノ松下さんが指導していた幼児園の園児達と高校生と母さん達とおじいさん達の四世代の合唱でした里山ではこんな方々がいれば、絶対元気になると思いました。今日１日本当に楽しかったです。川根本町の皆さんありがとうまた会えるのを楽しみにしてまーす。　　（崔宗宝）

○ 崔先生、こんなに遠くまでおいでくださいましてありがとうございました。アンコールで歌ってくださいました曲もとても素敵でした。忘れずにまたおいでください。松下先生、地域のアーティストとして立派な活動ありがとうございます。こんな機会をまたお願いします。
○ 崔さんの万里の長城、帰れソレントへは圧巻でした。素晴らしかったです。のぞみ先生いつも美しい声をありがとうございます。
○ 本物（失礼！）の歌声、ピアノ演奏、本当にありがとうございました。こんな小さな町で、こんなに素晴らしいコンサートが見れる聞けるなんで夢のような気持です。いつまでもいつまでも、大切な思い出になると思います。
○ 別世界ステージに心洗われる気持です。崔さんのユーモアたっぷりな時間ありがとう。
○ 農作業に追われている毎日です。今日はこのコンサートで素敵な癒しの時間が取れました。年一回のコンサートをとても楽しみにしています。
○ 大好きなアメージンググレイスが聞けて（生の声で）とてもうれしかったです。涙が出ました。もちろん全曲すてきでした。ピアノも最高です。
○ 「素晴らしい」の一言でした。崔さんの声がまた聴きたい。皆さんのチームワークも素敵で、しばらく元気になれそうです。ありがとう。
○ 声がすごい。包み込んでくるようでした。また聴きたいです。
○ こんな素晴らしい公演を聞けて本当にうれしく思いました。今回は無料という事で、言う事なく、至福の一時でした。機会があれば、逃さず聞きに来ます。
○ ありがとうございました。とても楽しかったです。のぞみさんの「リナルド」から「私を泣かせて下さい」で泣いてしまいました。崔さんのアメイジンググレイスにも泣きました。沢山感動してとても良かったです。
○ 「死んだ男の残したものは」の歌が胸にジーンときました。フィガロの結婚より「もう飛ぶまいぞ子の蝶々」は警戒で迫力満点ブラボー！万里の長城は感動ものです。帰れソレントへも良し。
○ 「死んだ男の残したものは」「アメージンググレイス」その他、涙が止まりませんでした。すごいなあと思いました。素晴らしい歌声と、自由、反戦へ込める思いが心に響き、泣くつもりはなかったのですが、泣けてきました。

同行記
　3月27日、静岡県川根本町で51回目の里山コンサートが開催されました。川根本町（町名変更）10年記念とタイアップして、川根本町文化会館で地元出身のソプラノ歌手松下のぞみさんと、同ピアニスト奥田和さんとの共演で、思いがけなく郷かなステージになったのでした。
　崔さんだけでも13曲も歌って下さり、「ブラボー」や「アンコール」の声も飛び交い、それに答えてピアノの弾き語りがまた一段と観客の方々に喜んでいただけたようです。地元の子ども合唱団にお父さん方や高校生達も加わり、会場のみなさんと一緒に「翼をください」を歌ったのも思い出に残る一幕でした。
　　東海道線から外れて大井川の上流に遡り、清流、吊り橋、井川ダム、茶畑、SLやトーマス機関車、そして何より空気の奇麗なこの里山へ皆様もお出かけ下さい。 （崔宗宝と唄う会　上野、横山、廣田）

編集後記：　
　静岡県出身の後援会会員廣田さんが、昨年の松崎町石部と同じように、地元の伝手をたどってこのコンサートを実現して下さいました。海老名の崔宗宝と唄う会所属の方3人で同行し、崔さんも楽しい旅ができました。ありがとうございました。共演して下さいました地元のソプラノ歌手松下のぞみ先生、ピアニストの奥田和先生に心からお礼申し上げます。全てを企画し、地元の方々の感想をまとめ、DVDや写真を送って下さいました川根文化会館服部了士様に深く感謝申し上げます。（里山担当・高木ユリ）
（写真提供：川根本町文化会館・服部了士様）

第50選　平成27年11月14日　山梨県山梨市立牧丘第一小学校体育館

演奏日誌　　　　　　　　　　　　　　　　崔　宗　宝

今日は（11月14日）待ちに待った「第50回にほんの里100選記念コンサート」が山梨県の牧丘で行われました。東京町田市の第1回から、今日の第50回まで6年かかりました。50回というと、皆さん大好きな100の数字の半分で、日本では中締めの話もあります。今回は山梨県なので、東京に近いし、私の後援会の方々が、沢山参加したくてバスで行こうと決め、「崔さんの店」のマイクロバスを借りて、私が運転して、十数人が朝7時か大和駅から出発しました。

またこの100選コンサートを全面的に協力していただいた森林文化協会の寺門様が取材のため、ご一緒にバスに乗りました。全員女性ファンの中に貴重な男性でした。出発時間が早かったため、途中下車で山梨市内の恵林寺を見学しました。もう11月中旬ですからブドウの収穫季節が終わりましたので、途中のブドウ畑に何も残っていなかったのですが、柿が沢山ありました。恵林寺の入口の所に１人のおばあさんが熟した柿を売っていて、とても美味しそうに見えるので、私が100円で買って、すごい大きな柿を食べました。すごく甘かったので、お土産に5個買いました。恵林寺に入ると皆さんびっくりしました。その建物や紅葉、そして寺内の色々の植物が、日本の四季をはっきり表現しています。いつかこの寺の中でもコンサートができたら良いなと思いました。

昼のランチは恵林寺近くのレストランで山梨の名物ほうとうを食べました。都会でなかなか食べられないので、私は最後の一滴までスープを飲みました。体が温まって今日は良い声が出るかなと感じました。

山梨の牧丘町野高原は一面ブドウ畑が広がる景観が素晴らしいし、切り妻作りの民家が点在しているので、一つの「里」として選定されました。

今日のコンサートもやっぱり小学校の体育館で行われました。一つ感動したのは、今日のお客様は生徒達だけではなく、彼等のお母様達が大勢来ました。実は今回は学校のPTA活動の一つの芸術鑑賞活動として、このコンサートが企画されました。今までのお客様は年配の方々か、生徒達か、そして生徒のおあばあさん達がほとんどでしたが、今日の若いお母さん達が沢山来てくれて、とても嬉しかったです。なぜというと、小学生はクラシックはまだ理解出来ない部分があり（1年生から3年生まで）、もし、お母さんが来て聞いて帰ったら、子供に詳しく説明できると思います。

今日のプログラムはいつもと同じですが、オペラのアリアを歌う前にプラボーというイタリア語を教えました。そうしたら、私がアリアを歌い終わったら、生徒達ほぼ全員がプラボーをしてくれました。子供達は将来大きくなって音楽会に行った時、昔幼い時大きな声でブラボーと叫んだ事を絶対忘れないと思います。この120人の生徒の中に、日本の未来の歌手が生まれるかもしれません。本番後、沢山の質問があった事から分かります。

このようなボランティア音楽活動は青少年の育成などにとても力になると信じています。これから残り50回はできれば、私の還暦まで達成できたら良いなと思いました。　さあ！来年からまた頑張ろう！

お世話役の牧丘小学校倉田先生よりのお便り

先日は大変お世話になりました。
その後の感想が、遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
児童と保護者の感想を送ります。
大好評でした。ありがとうございました。
崔さんにもくれぐれもよろしくお伝えください。
牧丘第一小学校　倉田

♫児童の感想♫

＊１年＊

・コンサートできれいなこえやピアノできれいなえんそうをきいて，とてもうれしいです。さいごにみんなで，手びょうしをして『おにのパンツ』をやってそのえんそうがいちばんたのしかったです。

・５０かいもうたってきたのですね。ものすごくすばらしいきょくをきいて，こころがあったかくなりました。とくにいちばんよかったきょくは，『チャイムがなった』です。おとなになったら，かしゅになってみたくなりました。

・ぼくがいちばんよかったのは，『こうじょうのつき』です。きれいなこえでうったていて，とおくまでひびいてすごかったです。『あかとんぼ』はぴあのでひきながら，うたっていてじょうずでした。ぼくは，オペラをきいたことがなかったのできけてよかったです。

＊２年＊

・そうほうさんが歌った声はきれいでした。ぼくはどうしてそんなにきれいな声が出せるのかなと思いました。ぼくもそうほうさんみたいな声を出したいです。はじめてなまできくことができて，とてもうれしかったです。

・オペラをきいてとてもすごかったです。ふつうの声よりうたっているときは，すごくひびいていて声のちょうせつができているのがびっくりしました。ぼくが歌った中で，『ふるさと』が一番歌って楽しかったです。きれいな歌声をきかせてくれてありがとうございました。

・サイソウホウさんの声は大きくてすごいなと思いました。とてもきれいな声でした。『赤とんぼ』の歌は知っていたので，ちょっといっしょに歌いました。『おにのパンツ』はおどりがおもしろかったです。またききたいです。サイソウホウさんありがとうございました。

＊３年＊

・ぼくが崔さんのコンサートをきいてはじめて思ったことは，崔さんが日本語を話せることです。最初，中国語で話すのか日本語で話すのかわからなくてドキドキしました。日本語が上手でとてもびっくりしました。それに声も大きいし，体全体でピアノをひいていたので，はく力があるように見えました。いい思い出になりました。

・ぼくは「歌」というものに，ふだんふれていなかったので，この会でもっと日本の歌や世界の歌を調べて歌ってみたいと思いました。短い時間だったけど，楽しめてよかったです。日本ツアーを楽しんでください。

・とてもきれいな歌声でひびきわたるように声が体育館にひびきわたっていて，とってもきれいでした。中国の歌は少し意味がわからなかったけど，良かったです。ピアノと歌を両方やるなんてすごいと思いました。本当にすごい声，歌をきけて良かったです。もっと崔さんが歌っているのを見てみたいです。

＊４年＊

・すごいと思ったことは声を長く出せることです。どれくらい練習すればそんなに長く続けられるようになるのかが疑問になりました。ぼくも練習をしてみようかなと思いました。

・いそがしい中きていただきありがとうございました。初めてオペラを生できいて，きれいな声ですごいなと思いました。私は歌を歌うときはずかしくて，小さい声でしか歌えません。じしんを持って歌える人ははずかしくないのかなと思いました。

・マイクなしで大きいきれいな声で歌をうたってもらったので，すごいと思いました。崔さんのきれいな声がひびいてとても気持ちよかったです。これからもがんばって　１００選を行ってコンサートをひらいてもらいたいです。

＊５年＊

・思っていたより声がひびいていてびっくりしました。マイクを使っていないのにひびいていて，私もあのくらい歌がうまくなってあんなふうに歌ってみたいなと思いました。

・ぼくはオペラはどういうものなのかをよく分かっていなかったので，とても勉強になりました。マイクを使わないでもあんな声が出せるのはすごいと思いました。

・崔さんがふだんしゃべっている声は普通だったのに，歌を歌った瞬間，声が変わったのがすごいと思いました。また日本の歌，イタリアの歌，中国の歌とたくさんの国の歌をじょうずに歌い，ピアノもとても良かったです。牧一小最後の芸術鑑賞会がこのコンサートで良かったです。機会があったらまた歌ってほしいです。ありがとうございました。

＊６年＊

・私は音楽が好きです。今日の崔宗宝さんのコンサートは迫力のある美しい歌声に感動しました。歌っているときはもちろん，しゃべっているときにもきれいな声でした。特にオペラは迫力があり，一瞬で歌の世界に入り込んだようでした。またピアノもとても上手でびっくりしました。最後にみんなで歌った『ふるさと』はとても楽しく歌えました。素晴らしい歌声をありがとうございました。ブラボー！

・私は初めてオペラをききました。オペラはテレビで見るのが普通だと思っていました。曲にのって歌っている崔さんがうれしそうに思えました。質問コーナーで，「なぜ日本に来て，歌手を目指したのか」という質問に対し，「人の喜んでいる顔が見たい」と言っていました。私はすごいなーと思いました。

・ぼくはふだんはコンサートに行って歌手の歌をきくことはありませんでした。今回のコンサートでは体育館中にマイクがなくてもとても声が響いていてとてもびっくりしました。声がとてもきれいで，『赤とんぼ』などもふだんとは違う感じの歌にきこえました。たくさんの歌をきかせてくださりありがとうございました。

♫保護者の感想♫

・多少音楽に親しむ機会がいただけて，とても嬉しかったです。崔宗宝さんが，日本と中国の架け橋になるべく４・５年前から活動されているとのこと，興味があり調べました。歌声もとても素晴らしかったです。もっと長い時間聴けたら良かったです。

・オペラを生でというのは初めての体験でした。とても楽しかったです。崔宗宝様の心遣いも感謝でした。ブラボーの言葉も覚えられたし，実際に使えたし，一体になれました。本当によい経験ができました。ありがとうございました。

・はじめはバリトン歌手と聞いて難しいかな？と思ったけど，子どもたちに親しみやすい関わりでとても楽しそうでした。本物に触れられるよい機会でした。ありがとうございました。

・普段では鑑賞しない分野の方の歌を聴くことができ，よかったです。

・子どもからお年寄りまで楽しい時間を過ごすことができました。

第49選　平成27年10月31日　山形県小玉川小学校体育館

演奏日誌　　　　　　　　　　　　　　　　　崔　宗　宝

10月31日にほんの里100選に選ばれた山形県小玉川行って、第49回100選祈念コンサートを開催しました。この日の朝、東京駅から新幹線つばさに乗り込んで、約2時間で米沢駅に着き、そして車でまた90分かけて、やっと小玉川に着きました。10月末は山形県の紅葉シーズンの季節の後半となりましたが、途中のもみじはとてもきれいでした。車の中でずっと左に見て、右に見て、首も疲れた感じでした。コンサートは小玉川小学校で行いますと聞いて、まず体育館に入りました。先生の話によると、この小学校は当時（25年前）村の19人の子供のために作られた学校です。生徒は一番ピークの時に90名位いました。残念ながら、この学校は7年前に閉校してしまいました。体育館のステージの上に、まだピカピカのグランドピアノもあるし、弾いたら、ピアノの音もほとんどずれてなかった。すぐに今日の日本の歌はピアノを弾きながら歌おうと決めました。

今日ご来場のお客様は小玉川中学校の卒業生ばかりでした。いつものコンサートのお客様の年齢はバラバラでしたので、「なんで今日は、ほとんど60歳から70歳の方ですか？」と聞いたら、みんな同窓会のメンバーでした。中学校の同期生が毎年一回集まり、みんなで食べたり、飲んだり、そして地域の活気が出るよう色々なボランティア活動をしたり、村にお金を寄付したりして、一生懸命自分の故郷をサポートしてきました。このような事は中国ではなかなか考えられないです。同窓会という習慣はあまりない。日本では小学校から中学校、大学など全部同窓会があります。本当に素晴らしい事だと思います。こういう訳で、今日のコンサートの一曲目は「初恋」を歌いました。皆さんの中学校頃の初恋を想いだしながら聞いて下さいと言って。皆さんの内、何人かが目を閉じて聞いてくれました。それから赤とんぼ、万里の長城、オペラのアリアなど歌い、皆様は大喜びでした。今まで一番思い出になる同窓会でしたと言われました。

コンサート後、皆さんと一緒に飲み会に参加させていただき、郷土料理をごちそうになりました。一番美味しかった料理は地元の方が作ったコンニャクと里芋の煮物でした。私は三杯お替わりしました。そして最後に鍋に残った煮物を持ち帰りたいと頼んだら、会長はすぐビニール袋に入れて用意してくれました。これを大好きな息子に食べさせたいと思いながら、翌日とても重くて貴重なお土産を持って、新幹線に乗って、東京に戻りました。

この小玉川地区は射止めた熊の冥福を祈りながら、猟の収穫を山の神に感謝する熊祭りの儀式があります。今度機会があったら、熊料理を食べたいと思います。楽しみにしています。小玉川の皆さん、ありがとう！！

第48選　平成27年10月14日　佐賀県須古小学校体育館

演奏日誌　　　　　　　　　　　　　　　　　崔　宗　宝

翌日車で移動して、約3時間佐賀県の湯崎に到着しました。移動途中、道路の周りの田んぼは収穫時期になったため、全部金色になりました。会場に到着後、里山100選に選ばれた「縫い池」のとなりの公民館で地域の皆様と一緒に郷土料理を御馳走になりました。一番印象に残った料理は、レンコンとクジラ肉の煮物でした。レンコンはここの特産物です。地元のおばあさん達が作ったレンコン料理の味はまろやかで、また食べたい、残りは持ち帰りたいという気持でした。ご飯も新米で、すごく美味しかったです。

ランチを食べた後、地元の方に、佐賀県遺産と認定されたこの縫い池を紹介してくれました。800年以上の歴史を持つ面積約6400平方メートルの縫い池は、昔滾々と湧き出る清水は、杵島山麓の一帯に見られる美しい光景の一つでした。その中でも最も大きいと言われた川津の湧泉「縫い池」は昭和33年遂に干し上がり、その後長年美しい池の景観は見られなくなってしまいました。平成13年やっと40年ぶりに湧水が復活しました。

ふるさとの再生、地域活性化、自然との共存のためにも「縫い池湧水会」を発足しました。会員達は湧き水と弁天様を守って、魅力ある自然環境の保全と地域作りを頑張っています。

コンサートはこの縫い池の近くの須古小学校の体育館で開催しました。この日は沢山の地元の方々が来てくれてとても嬉しかったです。

歌う前に生徒達に、中国語の挨拶を教えました。将来、子供達が成長して、日本語・英語・そして中国語、この三つの国の言葉を覚えたら、世界のどこまで行っても、大丈夫だと思います。

終演後、生徒達に質問コーナーを作って、色々な質問に回答しました。一番面白い質問は「崔さんは大きくなったら、何をやりたいですか？」でした。「私は55歳で、もっと大きくなったら、千の風になりますよ」と答えました。

二日間の旅、あっという間に終えて、14日の夜19時東京に戻りました。今月の30日は山形県の里山に行って来ますので、今から楽しみにしています。

縫ノ池湧水会会長　赤坂宗昭様からの感想文

にほんの里100選記念コンサート代48選 in 白石湯崎

先日のコンサートありがとうございました。前日は、長崎県雲仙市でのコンサートでお疲れの所、また移動で大変な所を、私達の里で開催していただき、素晴らしい声をを聞かせてもらって感謝している所です。里の小学校を借りての開催になりましたが、小学生の参加はもちろんですが、一般の方の参加を心配していた所、平日にも関わらず多くの人の参加があって、崔宗宝さんの歌声にとても喜んでおられました。今でも、その時参加した人に会えば、「あのコンサートは良かったね、また聴きたいね」という会話が出てきます。

参加者のほとんどがバリトン歌手の歌声を目の前で聴くのは初めての事だったと思います。子供達も中国人が学校に来て、大きな声で歌われる崔宗宝さんの歌声に驚いたり、喜んだりして楽しかったようです。早速全校生徒が感謝の言葉を書きましたので、、お受け取り下さい。多くの子供達が崔宗宝さんの歌声に感動して、また聴きたい、是非来て下さいと言っております。

私が今回学校で開催して良かったと思う事には、崔宗宝さんが子供達に中国の事や曲の説明、歌い方など子供達にわかりやすく話された事で、子供達はとても興味を示し、気持を高揚させたと思います。また質問の時間も取られ、子供達から多くの質問が出て来て、それにユーモアたっぷりに返事をされ会場が大きな笑いになる事もありました。

子供達が一番驚いたのは、崔宗宝さんの大きな歌声です。話すときはマイクを使わないと聞こえないくらいの声なのにと不思議がりました。歌うときは「腹から声を出す」との説明で少しは納得したようですので、これからの音楽の時間が楽しみなようです。自分が知っている歌が出ると真剣に聴いています。後半になってテンポの速い歌には手拍子も出て、一層楽しくなりました。歌が終わると「ブラボー」の声も出て来て大変盛り上がりました。アンコールの「北国の春」が出たときは、参加者全員が手拍子で「ブラボー」の声がいくつも出て惜しみない拍手でコンサートが終了しました。その後は、子供達が崔宗宝さんを囲んで記念撮影をしていましたが、その様子を見ると、子供達は今回のコンサート、おそらく初めてのバリトンの歌声に深く感銘し楽しんでもらい、素晴らしい体験になったと思います。

今回のコンサート、会場や参加者、崔宗宝さんやそのスタッフの皆さんへの対応など心配しておりましたが、崔宗宝さんの美しい歌声を聴いて、子供達の大きな喜びと多くの参加者の皆さんに楽しんでもらい素晴らしいコンサートができたと思っています。約1時間のコンサートでしたが、子供達も、大人の参加の人達もとても有意義な時間になりました。私自身もバリトン歌手の声は初めて聴きました。子供達も同様、崔宗宝さんの大きな歌声には驚きました。

わずかな時間でしたが、私達の里を案内する事が出来ました。私達の里にある池の湧水が止まり、長い間池に水がなかった事がありますが、40年を経て湧水が復活し、里の全員で湧水と農村を守り、里の活性化に取り組んでいる所です。池に来てもらい、その景色の様子や湧水を飲んで「おいしい水」と喜んでいただきました。また、里の皆さんで作った郷土料理もおいしいと食べていただき、皆さんと楽しく話してもらい楽しい食事会になりました。

学校ではコンサートが終わって、校長先生が是非お礼のご挨拶をしたいと言われていましたが、帰りの時間の関係で、すぐ帰られて話す事も出来なかったと残念がっておられました。崔宗宝さんや高橋会長さん達スタッフの皆さんによろしくお伝えくださいとの事でした。

にほんの里100選記念コンサートは私達で48カ所目、これからも日本全国の里で美しい歌声でコンサートが開催されると思いますが、崔宗宝さんの大きな歌声を聴いて、里の皆さん達は大きな感動で里への想いを一層深められる事と思います。遠い所まで出かけてのコンサートになりますが、崔宗宝さんや音楽事務所のスタッフの皆様にはご健勝で活躍される事をご祈念申し上げます。

当日撮った写真をデータで送りますので、ご覧下さい。今回のコンサートは大変お世話になりました。出来る事なら、もう一度お出でいただき、美しい歌声を聴きたいと思っています。大変ありがとうございました。

佐賀県杵島郡大字湯崎　　縫ノ池湧水会　赤坂宗昭