西ノ島(にしのしま)島根県

放牧で保つ草地景観

今も盛んな牛馬の放牧で草地景観を保つ。近年まであった畑作と放牧を組み合わせた伝統的な輪作(牧畑〈まきはた〉)を再評価する動きも。

  • 交通:山陽道米子ICから七類港まで車で45分、七類港からフェリーで西ノ島別府港まで155分・高速船で125分、別府港から車で10分
  • 特産:鯛、サザエなどの魚介類、牛
  • 宿問い合わせ:西ノ島町観光協会 08514-7-8888
  • 関連ウェブサイト:西ノ島町観光協会

※ 交通アクセスや店舗情報などは、お出かけ前にご確認ください。

※ 車ナビは、里を訪れる際の目標ポイントを数値化したマップコードで、()内が施設名や地点です。地図では★で示しました。カーナビのマップコード検索で利用できます。

2016年03月03日

ガイド にほんの里100選 グリーンパワー2016年3月号から

牧畑の知恵で景観保つ
 
 西ノ島は松江市の北約70㎞にある隠岐諸島の島の一つ。「牧畑(まきはた)」と呼ばれる、3年の畑作と1年の放牧を繰り返す独特な輪作が、約800年前に始まった。

絶壁の上で草を食べる西ノ島の放牧馬(朝日新聞)

絶壁の上で草を食べる西ノ島の放牧馬(朝日新聞)


 
 牛馬のふんや尿が土地を肥やす持続的な農地経営の手法だったが、高度経済成長期の1960年代には姿を消してしまった。その後、歴史的・文化的価値が再評価され、遺産として次代へ伝えていこうという動きが地元で始まっている。
 
 旧牧畑地区は現在、西ノ島町が管理する公共牧野となっている。放牧されているのは牛約600頭、馬約50頭。険しい島の地形で足腰が鍛えられ、家畜市場での評価は高い。
 
 日本海の風が吹き渡る雄大で美しい草地景観は、先人の知恵の賜物なのだ。
 
(グリーンパワー2016年3月号から転載)

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